2014年12月21日

ガレキの太鼓「止まらずの国」

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地球のどこかで会いましょう。

持ち物はこの背に背負ったバックだけ。
大事なものを詰め込んで、パンパンなこいつを引き連れて。
こんなとこまで来てしまった。
バザールが立ち並び、街中には水パイプの香り。
つい昨日まで、成田でコーヒーを飲んでたハズなのに。
笑顔で寄ってくるヒゲ面のおじさんたち。
「We are friend!」
そんな言葉を叫んだ自分の素直さに笑えてくる。
ここは、地球の裏。まーるい地球のうらっかわ。
世界一周の旅の取材を元に放った、渾身の作。
初演から8年。
エネルギーに満ち溢れたこの作品に、新たな命を吹き込む。
異国の風吹き荒れる宿の、一夜の物語。
幸せ手に入れた大人たちの、今日という日。
あの頃の自分よ、悔しかったらここまでおいで。
ここは、どこだ。飛行機は、どこへ飛んでいく。
(チラシより)

 どこの国かわからないが中東っぽい場所にある、日本人向けの安宿が舞台。旅慣れた人もいればまだぎこちない人もいる。すぐ水になってしまうシャワーに悩まされながら、反対から来た旅人と情報交換したり、去る人の送別会を企画したりなど楽しく過ごしている。そこに銃声が響いて…

 現地の人々との陽気な会話から危ない目に遭う話、さらにジワジワと緊迫していく様子を手に汗握りながら堪能しました。ラストはどうも唐突すぎて飲み込みづらい気がしましたが、結論を求める作品ではないのであれで良いのでしょう。

 私自身は一回しか海外に行ったことがなく、しかも仕事だったのでこういうドキドキするような経験は皆無だ。行ってみたいという憧れと、あんな目に遭いたくないという恐れが両方。でもたぶん遠くない将来に海外赴任することになると思うので、嫌でも経験することになるんだろうけど。そんなことを考えながら観ていました。

2014/12/21-13:00
ガレキの太鼓「止まらずの国」
こまばアゴラ劇場/当日精算3000円
作・演出:舘そらみ
出演:海老根理/家田三成/木山廉彬/酒巻誉洋/龍野りな/千田美智子/藤松祥子/結城洋平/山本陽子/今井慶
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2014年12月20日

犬と串「うぶ」

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走れ、世界と逆の方!!

私は私。あなたはあなた。
いらない。理解も友情も、愛情も。
全部いらないの。
凍える冬なら、無意味の炎で溶かせばいい。
犬と串13回目の本公演は、壮絶なロリータの狂い咲き。
(チラシより)

 ゴスロリファッションに身を包み、学校では友達もなく孤高を気取る女子高生。同じく孤独な男子に気遣われてもいにかいさない。しかしひょんなことから死んでしまい、閻魔大王に改心を約束して戻ってくる。

 こんな風にあらすじを書くと普通だが、やはり犬と串なので相当にエログロナンセンスだ。同級生たちは意味不明なギャグで盛り上がり、主人公の兄は子供達に紙芝居で下ネタを教えまくり、妄想に登場する耽美な恋人はハッピーターンを撒く。裏での早着替えの苦労がしのばれる、学芸会チックなごちゃごちゃ感も強い。。

 ただ、犬と串と言えば何かやらかしそうでハラハラしながら観ていたのに、今回はむしろ綺麗にまとまっていた感じです。何作か前までは強い主張と挑戦が感じられたのに前回も割と「いい話」だったので、モラルさんが今後どういう路線を目指すことにしたのか興味深いところです。

2014/12/20-19:00
犬と串「うぶ」
駅前劇場/当日清算3000円
作・演出:モラル
出演:満間昂平/鈴木アメリ/藤尾姦太郎/堀雄貴/萩原達郎/板倉武志/石澤希代子/竜史/綾乃彩/日比野線/山田勇亮/藤本紗也香/帯金ゆかり
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IQ5000「ジャングル 〜柔和なジャングルの猛者〜」

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車より速く走れ、ドガラ!
飛行機を捕まえろ、ドガラ!
機関銃を黙らせろ、ドガラ!
泣く子を黙らせろ、ドガラ!
世界の嘘を駆逐しろ、ドガラ!
そして、柔和な者が土地を手に入れるまで
走り続けろ、ドガラ!
(チラシより)

 南米の資源利権を巡って先進国のエージェントが争う中、日本の雑誌記者が訳も分からず巻き込まれててんやわんや。架空の話ではありながらリアルな風刺を交え、考えさせられる内容。

 ある意味ステレオタイプなんだけど、それゆえに安心感のある仕上がり。パワーマイムな芝居は久しぶりですが、客席まで含めて暖かい空気を確実に作り出す手際は見事です。

 しかし扱っているテーマからするとやや単調にも思える。展開はそこそこ派手ですが内容的に。現実はそう単純ではないわけで、芝居としてももう一捻り欲しいところ。

 あまり本質ではありませんがサル族の動きが焼き付いて脳裏から離れない。

2014/12/20-15:00
IQ5000「ジャングル 〜柔和なジャングルの猛者〜」
シアターグリーンBOX in BOX THEATER/当日清算3500円
脚本・演出:腹筋善之介
出演:朝田博之/石谷力/五十嵐聡子/大友美香子/久保田寛子/坂本泰久/佐治彩子/ドン・タクヤ/巴里マリエ/べっち。/渡部愛/奥田美樹/キタタカシ/中西浩/腹筋善之介 他
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2014年12月14日

万能グローブ ガラパゴスダイナモス「ボスがイエスマン」

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 横暴な社長が取り仕切る芸能プロダクションを飛び出して独立することにしたタレント達が、半地下の元倉庫を借りて事務所にする。そのスタート祝いに集まった彼らだったが、独立に加わらないはずの売れっ子タレントがひょっこり顔を出して、仲の悪い女同士でギスギスした雰囲気に。さらにその日初めて加わるちょっと場違いなサラリーマンや、ワル気取りのミュージシャンなど個性的な面々がカオスな展開を繰り広げる。ところがあるきっかけで入口のドアノブが取れてしまい、外に出られなくなる…

 福岡からはるばる東京公演に来た劇団。笑いあり泣き?ありの王道的な展開で、奇をてらったところは全くなく、安心して人に勧められるタイプの劇団だと思います。

 終演後には生コメンタリーと称して、主催の川口さんとゴジゲンの松井さんがコメントしながら役者が芝居の一場面を演じるというイベントがあり、これが本編にも増して面白かった。本編より面白かったと言ったら怒られるだろうか。

2014/12/14-14:00
万能グローブガラパゴスダイナモス「ボスがイエスマン」
王子小劇場/支援会員
脚本・演出:川口大樹
出演:阿部周平/椎木樹人/松野尾亮/横山祐香里/石橋整/田崎小春/早樋寛貴/針長亜沙美
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2014年12月13日

ミナモザ「みえない雲」

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何も知らなかったとはもう言えない

遠くの国で事故が起きたとき、「私」はまだ小学生だった。
それからまもなく図書館で出会った一冊の本『みえない雲』。
そこに描かれていたのは、ひとりの少女がたどった道。
今、現実をもとに描かれた物語は、再び現実に追いついた──。
(チラシより)

 ミナモザは2011年に「ホットパーティクル」で原発事故を扱ったが、これは事件直後のパニック状態にも似た作者の想いを舞台に叩きつけるような作品だった。その後3年あまりを経て、じっくりと煮詰められた形で完成させたのが本作と言えるだろう。

 ドイツの作家が書いた同名の小説を舞台化しているわけだが、そのメタ物語として「私」が登場する二重構造になっている。「私」がドイツまで行って小説の作者に会うくだりが全部実話とすると、ここは芝居というよりドキュメンタリーに近い。「ホットパーティクル」ではほぼ全体がそういう構成だったが、その手法を今回も使ったのは、瀬戸山美咲自身の想いを叫ばずにいられなかったからだろうか。

 「みえない雲」の主役を演じた上白石萌音がなんともすごい存在感だと感じたが、調べてみたらそれなりにすごい経歴の持ち主のようで納得しました。

2014/12/13-18:00
ミナモザ「みえない雲」
シアタートラム/当日精算4200円
原作:グードルン・パウゼヴァング
訳:高田ゆみ子
上演台本・演出:瀬戸山美咲
出演:上白石萌音/陽月華/塩顕治/中田顕史郎/大原研二/浅倉洋介/橘花梨/石田迪子 /つついきえ/佐藤真子/間瀬英正/大森美紀子
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□字ック「媚媺る、」

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もっと媚びてみせろよ。その男は言った。
でもわたしは生きてきて31年間、 一度も「媚びる」なんて教わってない。
家族にも教師にも。 当然数少ない友人にも乱暴な恋人にも、 「媚びてみた」なんてことはない。
だから苦手かどうかもわからない。
ただ、わたしはそろそろ、 自分ばかりが損をする人生に終止符打たなくちゃなんない。

「お前、眉毛の手入れもしてないの。女のくせに」

ここは社会の地下一階。
自分に胸を張って最高、って言えない人間ばかり。
そんなあんたたちに言われたくないわ。むかつくから、この感じ。
後悔させてやれ。
(チラシより)

 □字ックお得意、女同士のドロドロした話。片桐はづき演ずる主人公の弱々しさが何とも魅力的だが、□字ックらしさはやはり日高ボブ美や榊菜津美が演じる嫌な女だろう。なんともまあ、ゾクゾクするほどひどいキャラクターだ。笹木皓太のチャラ男も十分嫌な感じだが、この話においてはさしたるポイントではないだろう。

 女は怖いと受け取るか、人間は基本的にダメと考えるか、一部の特殊な人が問題と思うか、まあこういうのを見ている我々もそう立派な生き方はしてないなと振り返るか、いずれにせよ毒のある作品。得るものは特にない。ただ味わうのみ。

 小劇場B1は小劇場楽園と同様、縦横の2方向に客席が作られる。前回MCRの舞台を観た時は横長位置で観たが、今回は縦長位置で観た。大きく見え方が違うので、作る方が十分に配慮してくれないと見切れが生じる。本作では机上や壁面に設置された大型ディスプレイが重要な演出効果を担っており、どちらの面からも見やすいように配置されていたが、なかなか苦労しただろうと思う。

2014/12/13-14:00
□字ック「媚媺る、」
小劇場B1/当日精算3300円
作・演出/山田佳奈
出演:小野寺ずる/堂本佳世/日高ボブ美/山田佳奈/猪俣三四郎/片桐はづき/川本ナオト/榊菜津美/笹木皓太/松本亮/泉佑里奈/サエト/左藤英美/矢野昌幸
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2014年12月06日

笑の内閣「超天晴!福島旅行」

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 滋賀県大津市にある私立高校、鷹真学園高校は3代目理事長が就任した20年前以来、管理職は必ず学園OB が勤め、外様派は冷遇されていた。しかし、2年前近隣に出来た西園寺大学附属守山高校に志願者をとられている現状に危機感を覚えた校長猿田博士は、大手予備校世阿弥ゼミナールの名物講師だった間久部録郎をヘッドハンティングし教頭に抜擢、歴代校長は必ず教頭から昇格するため、間久部が初の外様校長になるのは確実視されていた。
 しかし、急進的な間久部の改革姿勢に、猿田をはじめとするOB派は反発失脚を狙う。間久部は失脚を免れるためには、理事会の支持が不可欠であった。
 そんな中、学園では修学旅行の旅行先を決める会議が行なわれようとしていた。学園は、毎年北海道に行っていたが、行程中ずっとスキーをする旅行はたいへん不評で、生徒自ら行き先を選べる西園寺に志願者が流れる原因となっていた。ここで、魅力的なプランを出せば理事会の支持が得られる、そう踏んだ外様派が出した案は「福島」であった。
 果たして間久部の狙いは、政争の具なのか、真に被災地に寄り添うためなのか?
笑の内閣新作は、福島に観光に行く意義を、遠い滋賀を舞台に問う学園政治劇!
(チラシより)

 最近すっかり社会派劇団となっている笑の内閣。今回は福島原発観光地化計画に触発されたそうで、福島原発と被災地復興支援を扱っている。原発そのものの是非を主張する作品ではない。いつもながらステレオタイプなキャラクター設定が徹底しており、わかりやすいというかベタというか、絶妙に下手な芝居とあいまって気恥ずかしくなるくらいストレートだ。

 笑の内閣は京都の劇団だが作品の舞台は滋賀県大津市の高校という設定、これは何か縁があるのかもしれないがよくわからない。実在のモデルを適宜織り込んでいるので多分なんらかの元ネタがあるのだろう。販売しているパンフレットには元ネタ辞典なるものも載っているが、これで全部ってこともないと思う。

2014/12/06-13:00
笑の内閣「超天晴!福島旅行」
こまばアゴラ劇場/当日精算2500円
作・演出:高間響
出演:有本ミチヨ/石田達拡/楠海緒/黒須和輝/中村彩乃/髭だるマン/松田裕一郎/丸山交通公園/山下みさお/由良真介/横山清正
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