2013年10月19日

虚構の劇団「エゴ・サーチ」

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エゴ・サーチとは、インターネット上で、自分の本名やハンドルネームで検索すること。
筆がなかなか進まない新人小説家。彼がインターネット上に見つけたのは、
自分と同じ名前、同じ経歴のプロフィールをもつ「誰か」のブログ。
「わたし」の知らないもう一人の「わたし」の存在に惑わされる一方、
彼の小説は沖縄の離島に訪れた女性がキジムナーに出会ったところから、
一向に前に進まない。失われた記憶と、届かなかった想い、
バラバラに見えたパズルが集まった時に見える真実とは。
虚構の劇団 作品群の中で最も再演を願う声が高かった、
「謎」と「想い」が織り重なる感動の物語。再び。
(チラシより)

 離島の穏やかな光景から始まって都会の若者の群像劇となり、IT企業とネットの闇みたいな話になり、最終的には心温まる人情劇にまた復帰する。タイトルはネット用語だが、内容はあくまでも人間を描いている。

 テーマの選び方、伏線の貼り方、笑いとシリアスのバランス、登場人物のキャラ立てなど、お芝居の見本のようによく出来た脚本だと思いました。再演を期待する声が高かったのも頷けます。私のようにややアングラに近いくらいの小劇場を見慣れている者にはちょっと優等生すぎる印象さえありますが。

 再演とはいえ初演は3年前なのでさほど時代が変わっているわけではありません。しかし2013年にはTwitterなどのSNSから炎上が新たなネットの問題として大きく注目されてきたこともあり、もしまた何年か後に再演するならネット関連の話題にはそういった事情も加味する必要があるでしょう。この世界はとかく変化が激しいので、すぐに陳腐化してしまいます。

2013/10/19-14:00
虚構の劇団「エゴ・サーチ」
あうるすぽっと/事前入金4500円
作・演出:鴻上尚史
出演:小沢道成/小野川晶/杉浦一輝/三上陽永/渡辺芳博/大杉さほり/塚本翔大/森田ひかり/牧田哲也/八木菜々花/伊阪達也
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2013年10月05日

アガリスクエンターテイメント「ナイゲン」

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会議は、まだ終わらない

かつては自主自律を旨とし生徒による自治を誇っていたが、今はそんな伝統も死に絶えた
どこにでもある進学校、国府台高校。
ある夏の日、唯一残った伝統にして、やたら長いだけの文化祭の為の会議“ナイゲン”は、
惰性のままにその日程を終わろうとしていた。
しかし、終了間際に一つの報せが飛び込む。
「今年は、1クラスだけ、文化祭での発表が出来なくなります」
それを機に会議は性格を変え始める。
――どこのクラスを落とすのか。
かくして、会議に不慣れな高校生達の泥仕合がはじまった…!
(チラシより)

 この劇団がこの作品を上演するのは3度目、再々演になるそうだ。初演は観ていないが昨年の再演は観た。今回が2度目。昨年とは人の並び方が一部変わっていたが出演者は同じで、劇団の定番作品にしていくつもりのようだ。

 内容は全くと言っていいほど変わっていないので物語に関する感想も特に変わっていないが、笑えるところは吉本並みに予定通りでもやっぱり大笑いできた。結末がわかっていても楽しめるのはいい作品だ。

 観劇初心者にも安心して勧められる作品なので、今後も定番として繰り返し再演してもらいたいと思う。ただ出演者の年齢は上がってしまうので、世代交代も必要だろう。今のところ見事に高校生を演じていたとは思うが。

2013/10/05-14:30
アガリスクエンターテイメント「ナイゲン」
シアターミラクル/当日精算2500円
脚本・演出:冨坂友
出演:甲田守/沈ゆうこ/鹿島ゆきこ/金原並央/さいとう篤史/榎並夕起/長谷川一樹/斉藤コータ/淺越岳人/細井寿代/矢吹ジャンプ/信原久美子/塩原俊之
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