2013年06月01日

ハイバイ「て」

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 ある家族の物語。4人の兄弟姉妹、暴力をふるっていた父、うろたえる母、ぼけてしまった祖母。祖母が間も無く亡くなるという時に、離れ離れになっていた家族が集まる。和気あいあいとした家族を演出しようとする長女、そんなものを意に介さない長男、その兄の言動に怒る次男、馴染みたいとも思えない次女‥‥。

 家族の物語ってのは“いい話”が多いが、さすがにハイバイはそんな優しい物語は作らない。この家族は父親のDVという暗い過去があり、兄弟姉妹の間でもわだかまりが残っている。つまり家族の心は全然ひとつになんかなっていなくて、幸せとは程遠いようにも見える。

 でも物語が進むにつれて、それぞれの登場人物が何を思ってどんなつもりでそんなことをしていたのかがわかってくる。一筋縄ではいかなくて、嫌な奴だと思っていた人物が後からとても愛しくなったりする。芝居の演出だが、しかし現実にもよくあることだろう。

 作者がこの作品で描こうとしたのは何だろうか。壊れた家族でもやっぱり家族っていいね、だろうか。それとも、家族と言ってもダメな時はダメだね、だろうか。あるいは単に面白いネタとして使っただけだろうか。ちょっと心地よい暗さに浸りながら、その辺がちょっと気になりました。

2013/06/01-18:00
ハイバイ「て」
東京芸術劇場シアターイースト/ローソンチケット3405円
作・演出:岩井秀人
出演:岩井秀人/上田遥/永井若葉/平原テツ/青野竜平/奥田洋平/佐久間麻由/高橋周平/富川一人/用松亮/小熊ヒデジ/猪股俊明
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posted by #10 at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ピンク地底人「ココロに花を」

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99パーセントの人々が携帯電話を持つ都市で連続変死事件が発生。刑事の坂本は病気の妻を想いながら事件を追う。時を同じく女子高生マキの兄が交通事故により植物状態に。しかしマキの親友アスカは兄が出歩く姿を見たという…。
マキは叫ぶ。「兄ちゃんを返せ!!」
(チラシより)

 舞台の中心は意識が戻らない人達が多数入院している病院。料理好きだった妻に付き添う刑事の夫。妹の友達とデート中に轢き逃げに遭った男。有力な政治家の息子は友達とドライブ中に交通事故を起こして電柱にぶつかった。それぞれの意識と想いが夢と現実を混ぜて行く。

 前回の「明日を落としても」と同様、効果音を役者の声で表現する手法が使われていました。ただ今回はラスト近くで役者のほとんどが演技している状態となり、効果音の人手が足りなくなったのか録音BGMも使われていました。そこはちょっともったいなかった。この劇団がずっとこのスタイルでやってきたわけではないそうですが、独特な雰囲気を生むので続けてほしいと感じます。

 物語は複数のエピソードが並行して進みながら次第に混ざってくるのですが、かなり集中して観ていないとすーっと状況がわからなくなってしまう感じで、やや疲れました。

2013/06/01-14:00
ピンク地底人「ココロに花を」
王子小劇場/劇場支援会員
作・演出:ピンク地底人3号
出演:クリスティーナ竹子/ピンク地底人5号/ピンク地底人6号/上田耽美/大原渉平/川北唯/小林まゆみ/勝二繁/高山涼/田米克弘/ 諸江翔大朗
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posted by #10 at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする