2013年06月23日

男肉 du Soleil「石田剛太のスペース☆コブラ」

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「さよなら、石田さん」

あれはいつかの秋。
男肉 du Soleil は石田剛太と共にビバリーヒルズにいた。
日本に帰って来たその時、石田剛太が口を開く。
「僕はもう帰らなくちゃダメなんだ……」
男肉達は泣きながら踏む。
「ここで踏まなきゃ石田さんが安心して欧州に帰れないんだ!」
涙の別れ、だがそれは大いなる序章に過ぎなかった……。
「ここは、宇宙!?」
そして、アイツは俺に言ったんだ。
「俺の名前は、コブラ」
最新の大長編は最初から宇宙!
今度は宇宙を救うんだ!
男肉が放つ超弩級のスペースオペラ。
君は、宇宙(そら)の涙をみる。

「ただの茶番さ。だがね、俺はその茶番に命かけるのさ」
(チラシより)

 自称ヒップホップダンスカンパニー?だが全然ダンスうまくないことで有名な男肉 du Soleilの公演を観てきました。中之島文化祭やヨーロッパ企画公演のゲストとしては観たことがありましたが、男肉 du Soleilそのものの公演は初見。

 噂通りダンスは上手じゃありませんでしたが、そういうのを吹き飛ばす勢いの展開。決して広い劇場じゃないシアター711で、大宇宙を股にかけるコブラの活躍?が壮大?に展開していました。ストーリーは荒唐無稽でハチャメチャですが、いいんですよね。

 指定席で最前列席は避けたものの2列目となり、途中で舞台に引っ張りあげて踊るはめに。そういうのは嫌いじゃないけど、まあ体の動かないこと足の上がらないこと。彼らのダンスを笑ってる場合じゃありません。あれだけ踊れる体力だけでも尊敬に値すると気づきました。

2013/06/23-13:00
男肉 du Soleil「石田剛太のスペース☆コブラ」
シアター711/当日清算2500円
団長:池浦さだ夢
出演:陰核/江坂一平/小石直輝/高阪勝之/ジャングル/城之内コゴロー/すみだ/チェン/吉田みるく/石田剛太/ 福井菜月
ゲスト:重実紗果/田嶋未紗子/和田聖来(花柄パンツ)
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2013年06月22日

青☆組「マリオン」

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ある日、名前をもらいました。
私を見つけ出したその人と、同じ名前。
私はその名で、120年間を生きた。
暦の意味もしらないまま。
トウキョウタワーに風が吹く。あと地球が何周したら、もう一度、あの日の君に会えますか。

ほろ苦いペーソスと繊細さを持ち味に、市井の人々の営みを描き続ける青☆組。最新作では、たった一匹で120年の孤独と向き合い絶滅したという、20世紀のインド洋に実在した、あるゾウガメの物語をモチーフに、とある一家の、時空を超えた旅と少し不思議な命の物語をお届けします。・・これは、昔々の、未来のおはなし。
(チラシより)

 タイトルは実在したゾウガメの名前で、見つけたフランス人の名前から名づけられたそうだ。ゾウガメは長生きするから、何世代かにわたる人の営みを観察する者になりうる。しかし語り部にはならず、ただ見守るだけだ。このゾウガメをひとつの軸として、見守られたのであろう人々の物語が綴られる。

 語り部となるのは旅芸人の一座だが、起承転結のはっきりした話ではない。実在した亀をモチーフにしているとはいえ、やはりそこは青組の描く「昔々の、未来のおはなし」であり、時代を超越したなどと言うと安直すぎるが、昔話風のファンタジーだ。その世界観こそが主題なのだろう。

 個人的には物語としてピンと来るところはなかったが、子供が眠りにつく前に母親におはなしを聞かせてもらっているような感覚で、優しい気持ちになれた。

2013/06/22-18:00
青☆組「マリオン」
こまばアゴラ劇場/当日清算3000円
作・演出:吉田小夏
出演:荒井志郎/ 福寿奈央/藤川修二/大西玲子/松本ゆい
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こゆび侍「きれいなお空を眺めていたのに」

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バカげた天啓が新谷家に降りてきたのは、初夏のことだった。
新谷桂蔵は、ぴんと来た。この丸い地球を負かすための、**が降ってくる。それもそう遠くないうちに降ってきて、人類は滅亡する。
桂蔵は**に勝つための訓練を始めた。
ほぼ同じ頃、桂蔵の妻である和子もぴんと来て、和子もまた、**に勝つための訓練を始めた。
互いが互いの行為に気づいたとき、ふたりは確信する。
ああ、大丈夫だ。私たちは、永遠に、終わらない。

こゆび侍、第11回本公演は、今さらの世界の終わりの話と、その終わり方を知ってしまった家族の話。
(チラシより)

 上記のあらすじにある「**」が何なのかは結局わからないが、そこは重要ではないのだろう。隕石でも恐怖の大王でもなんでも、どうしようもない何かによってとにかく世界が終わろうとしている。そのことになぜか気づいてしまったら、最後の時をどう過ごすだろう。

 この物語の中心となる夫婦は、家族であることをとても大切にしようとしていた。二人をとりまく人々は、それぞれ悩んだり戦ったり遊んだり、立場も態度も色々だ。全体としてのまとまった方向はなく、淡々と人々を描く群像劇だ。

 ラストシーンはまさに世界が終わろうとする瞬間だ。その時彼らがどうしてあの行動をとったのかわからない。主人公夫婦は当然そうするだろうけれど、他の人までがそうしたのは、その瞬間を迎える寸前に同じ天啓を受けたのだろうか。

2013/06/22-14:00
こゆび侍「きれいなお空を眺めていたのに」
王子小劇場/支援会員
脚本・演出:成島秀和
出演:廣瀬友美/佐藤みゆき/島口綾/小園茉奈/小野寺ずる/近藤茶/篠原彩/白川哲次/墨井鯨子/勢古尚行/富山恵理子/日暮玩具
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2013年06月16日

カスガイ「バイト」

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都心から電車で二時間。
ある製紙工場で働く作業員たち。
は、勝ち取らなければいけなかった。
安息とか平穏とか、尊厳を。
誰かがそれを脅かすのなら、守らなければならなかった。
のだが、気付いた時にはもう遅い。
緩やかに、蔓延るものなのだ怠惰は。

だから噛みつきたい。
だから噛みつかれたい。

会議室に集まる人々と、貴方と、私の、90分間。

虐げる者と抗う者の、話。

『死にたく無ければ兎にかく噛みつけ』
(チラシより)

 刑務所帰りの前科者ばかりが働く工場。社長はちょっと頭がいかれてる感じだ。慈善事業のふりをしながら、立場の弱い工員たちに無理難題を押し付けてくる。ある日の昼休みに会議室に集められた工員たちは、一人の同僚の死を知らされると同時に、殺した犯人を自分たちの中から選び、その人は死ぬように命令される…

 設定と展開のどちらを先に決めたのか分からないが、いささか無理がある印象がぬぐえない。確かに前科者が働ける場所は少ないだろうし、せっかく得た職を失いたくない、そのためには多少の無理難題も我慢せざるをえないのはわかる。しかし命まで取られることを受け入れるとは思えない。

 人格も人権も踏みにじる暴虐ぶり。そこまでされても服従するというのは、もっと別の事情がなければ説明がつかない。そのため、何か秘密を握られているとか、この世界全体が誰かの幻想の中であるとか、そういった種明かしが出てくるのかと思いながら観ていたが、結局そういうことはなかった。

 出演している役者がそれぞれ自分の劇団で主役を張れるような人ばかりなので、場面ごとの緊迫感やキャラクターの立ち方は良く出来ていたと思う。しかし残念ながら脚本の説得力の弱さが気になってしまい、役者の良さが空回りしている印象がぬぐえなかった。

2013/06/16-14:00
カスガイ「バイト」
テアトルBONBON/事前決済3900円
脚本:喜安浩平
原案・演出:玉置玲央
出演:川村紗也/須貝英/田中沙織/村上誠基/浅野千鶴/岡田あがさ/荻野友里/片桐はづき/山崎彬/山田百次/玉置玲央
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2013年06月15日

動物電気「どっきり!成人式〜俺もお前も〜」

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 都会の会社を脱サラして田舎に家を建てた夫婦と、彼らをとりまく友人たちが起こすハチャメチャな日常。前回観た「タッパー!男の器」の時と同様、状況設定はあっても展開にほとんど意味はない、典型的なナンセンスコメディだ。

 その場限りの乱痴気騒ぎ。しかしそういうスタイルが徹底しているため、気持ちよくのめりこめる。また、ナンセンスではあってもブラックではないし、下ネタもあるがドリフ程度なので誰でも安心して誘える。

 ラストはお約束の「面白いこと」が繰り広げらる。あれを毎ステージやっているというのは、そのパワフルさにただ感心する。いや、観てる時はただ大笑いしているのだが。あとに何も残らなくても全然問題ないと心底思える。あー、楽しかった!

2013/06/15-19:00
動物電気「どっきり!成人式〜俺もお前も〜」
駅前劇場/当日清算3500円
作・演出:政岡泰志
出演:小林健一/辻修/森戸宏明/高橋拓自/松下幸史/ヨシケン/浜松ユタカ/吉田麻生/姫野洋志/政岡泰志/帯金ゆかり/山口奈緒子/國武綾/堤千穂/松本D輔
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城山羊の会「効率の優先」

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 仕事。というか会社の話です。私は会社員を10年やったという経験の持ち主です。ふ。みなさんの中にはアルバイトをしている人も多いでしょう。その目的は言うまでもなく、生活の糧、お金を稼ぐことです。もちろん会社員だってそうです。しかし、昔はお金というより、仕事自体が生きる目的になっている会社員も多かった。今でもずいぶんそうでしょう、国民性でしょうか。「会社」ってなんだったんだろう、って震災後思ったりしています。

 演劇的な抽象や象徴みたいなことでは少しもなくて、ただ単に、例えば、わたしはあなたが嫌いで仕方がない。しかしこの仕事のために好きになる努力をしている。もし、仕事を一緒にしていなかったら、とっくにあなたを殺しているだろう、大げさに言えば。あなたはこの仕事のおかげでわたしに殺されずにすんでいるのだ、みたいなことです。よろしくお願いします。
(青年団の山内健司さんとは別人のかつて会社勤めをしていた山内ケンジ)
(チラシより)

 どこかの会社のオフィスが舞台。何を売っているのかはよく分からないが、営業部隊らしい。バリバリのキャリアウーマンといった雰囲気の女性部長と、真面目そうだが頼りなさそうな課長。その下で働く営業マンたちと、それを支える若い女性事務員という顔ぶれ。

 物語の中心は仕事ではなく、社員同士の恋愛やら痴情のもつれ的なドロドロ展開。そのくせ、大問題が生じると「そんなことより仕事だ」と言って見て見ぬふりをし始める。効率の優先というタイトルはそういう部分を皮肉ったものだろうが、しかしこの話で皮肉るべきポイントはもっとあるんじゃないかと感じた。

 会社が舞台というので、リアルな中身だったらろくに仕事のできないダメ社員に自分を重ねてしまうのではないかと心配したが、しっかりと荒唐無稽なストー リーだったので大丈夫でした。いや、色恋沙汰なら現実にそんな感じの会社もあるかもしれないが、あんなに全然仕事してない職場はないだろう。

 もちろん、リアルじゃないからこそ面白いし笑えるのだが。

2013/06/15-15:00
城山羊の会「効率の優先」
東京芸術劇場シアターイースト/事前入金3500円
脚本・演出:山内ケンジ
出演:鈴木浩介/石橋けい/岡部たかし/岩谷健司/金子岳憲/松本まりか/白石直也/松澤匠/吉田彩乃
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2013年06月09日

子供鉅人「モータプール」

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ある男が生まれた家に帰ってみると、そこはモータープールになっていた・・・。
駐車場の白線が織りなす幾何学模様が男の過去や妄想を枠取り、幻視的世界が現出する最新作。
(サイトより)

 モータープールすなわち駐車場に見立てた白線が書かれた舞台で、家と街と学校と友達と家族が描かれる。

 扱っているテーマは子供鉅人らしい気がするが、演出はちょっと最近流行のスタイルを取り入れすぎて、らしくなかったと思う。冒頭、白線に沿った動きはままごとの「あゆみ」を思わせ、反復するセリフはマームとジプシーのようだった。後半の群舞はひょっとこ乱舞(アマヤドリ)だろうか。もちろんこれらにもまたオリジナルがあるのかもしれないが、うーん。

 今回は振付にコンテンポラリーダンスの黒田育世が参加しているとのことで、多分その影響なのだろう。前半はおおむね演劇っぽいのだが、後半はほぼダンスだった。これもちょっと頂けない。子供鉅人は演劇ともダンスとも違う独特のパフォーマンスが魅力だ。部分的に取り入れるのは良いが、今回は取り入れすぎたと思う。

2013/06/09-13:00
子供鉅人「モータプール」
アサヒ・アートスクエア/当日清算3000円
作・演出:益山貴司
出演:益山寛司/キキ花香/影山徹/億なつき/ミネユキ/小中太/益山貴司/寺西理恵/竹ち代毬也/竹田靖/花本ゆか/ミスター/益山U☆G//ぎぃ子/佐々木美奈/田坂理絵/高瀬弥生/竹内宏樹/谷啓吾/八木光太郎/山田春江/山中志歩
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2013年06月08日

千葉雅子×土田英生「姐さん女房の裏切り」

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なんで俺を見捨てたんですか?
あんたが私を「姐さん」と呼ぶからだよ
二十年前。暴力団組織の組長の妻だった女と鉄砲玉だった男。


二人は抗争の時、ホテルにいた。二人の関係が組関係者にバレることを恐れた二人は逃亡する。
その抗争では多数の死亡者が出た。それは男の犯行ということにされ、警察からも指名手配されてしまう……。
それから年月は流れた。彼らは名前を変えて、とある地方都市で隠れて暮らしている。
姉さん女房である女は五十歳を過ぎてもスナックで働き、少し年下の男はヒモのようになっている。愛情なのか、仕方がないのか、行きどころもない二人は仲睦まじく暮らして来た。近所でも評判のおしどり夫婦だ。そんな二人の日常に、忘れていた闇が忍び寄る。暴力団と警察による追跡。二人は再び逃げなくてはいけない。そして女は……。
(チラシより)

 劇団MONOの土田英生と猫のホテルの千葉雅子、共に劇団を主催して作・演出・出演する二人による二人芝居。アフタートークで語られた話によると、飲み会の席で発案された企画だという。「長く上演されるレパートリーを創作する試み」とあるように、恐らく様々な役者や演出家が様々なスタイルで上演できる、そして何度観ても楽しめる作品だと思う。

 厳然たる二人芝居だ。一人で何役もやるわけではなく、あくまでも登場人物は二人だ。電話で他の人と会話する場面はあるが、声や姿は出てこない。舞台は二人が暮らすマンション(いや、安アパートか)の部屋のみ。こういうシンプルな舞台は好みだ。

 二人の関係はあらすじに書かれているが、しかし微妙な力関係や立場はじわじわと変化する。いや、実際に変化しているのではなく、真実が少しずつ見えてくると言うべきだろう。最初は男が女を支配しているように見えるが、実際はうまいこと操縦されている。

 最終的に女は男を裏切る。それはタイトルから明らかで、大事なのは彼女が裏切りを決断するまでの感情の流れ、葛藤の様子だ。いやまあ、脚本も役者もうまいものだ。そして彼女に裏切らせてしまう男のバカっぷり、気づかなさっぷりを極めて自然に演じた土田英生もすごい。ああいう間抜けな悪人の役はしばしばやっているが、今回は実にはまっていた。

2013/06/08-18:30
千葉雅子×土田英生「姐さん女房の裏切り」
サイスタジオコモネ/当日清算3800円
原案・出演:千葉雅子
作・演出・出演:土田英生
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桃尻犬「キャンベラに哭く」

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鳥に憑かれた女子高生と、昔好かれていた女を殺した教師と、殺された女の妹とそれらの家族。また、同級生。ジャージに射精する兄と、ブルマを集める用務員の、青性春倒錯群像劇!
(チラシより)

 桃尻犬を観るのは三回目。そろそろ慣れてきたものの、そのぶっとんだ世界にはゾクゾクさせられる。芝居を観るというより表現を浴びる体験だ。

 作・演出を務める劇団主催の野田慈伸は、見た目ちょっと怖い感じなので声をかけられないが、もし話す機会があったら一体どんな風に物語が出てくるのか聞いてみたい。変態っぽいエログロな描写が多々あるのだが、観客を意識して作っているのではなく、あくまでも作者の素の感性が脚本から舞台へ漏れ出して客席まで溢れてくるような印象を受けるのだ。

 そして、あの世界をどうやって役者に伝え、役者はどう受け止めて体現するのか聞いてみたい。いつもならそういう舞台裏は気にしないのだが、彼の作品では気になってしまう。

 前々回の公演で初めて見てお気に入りになった女優の堂本佳代さんは(過去2回とは全然違うけど)これまた良い味出していました。観る度にまったく違う印象を受けるので、優れた役者なのだと思います。

2013/06/08-14:00
桃尻犬「キャンベラに哭く」
王子小劇場/劇場支援会員
作・演出:野田慈伸
出演:糸山和則/菊川朝子/津和野諒/堂本佳世/長井短/成瀬正太郎/野沢ハモン/日高ボブ美/森崎健吾/力徳朋/渡邉晋/野田慈伸
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2013年06月02日

バジリコ・F・バジオ「兄よ、宇宙へ帰れ」

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(当日パンフによると、チラシに書かれたあらすじとはかなり違う内容になってしまったとのことなのでチラシの文章は割愛)

 ずっと部屋に引きこもっている啄郎と、その高校時代の友達で劇団を主宰する砂城。主人公の砂城が10年くらい主催している劇団は、人間関係がぐちゃぐちゃになって存亡の危機。そんな中でバイト先を探したら、高校時代の友人で今は引きこもりになっている啄郎の家に来ることになる。啄郎の3人の妹たちに翻弄されながら、なんとか啄郎を社会復帰させようと目論む。啄郎は高校時代に好きだった女性に会いたいと言う‥‥

 「10年くらい劇団の作・演出をやっている人」の話だという。演劇の中で劇団を扱うとどうしても内輪受けっぽくなってしまうのでリスキーだと思うのですが、本作はバジリコ・F・バジオの10周年ということで、あえて取り入れたようです。幸い、良い形でまとめられていたと思います。

 基本的にはナンセンスコメディと言える作品なので単純に笑って見ていればいいのかもしれないが、要所要所でチクチクと心に刺さるエピソードが織り交ぜられるので油断ならない。

 女医やアナウンサーなど奇怪な人を多数演じた松浦智美が印象的だった。この女優は以前ロ字ックで主演していたのを観たことがあるが、今回のように“多数の端役”をやらせてもちゃんと全部うまい。いい役者だと思う。

2013/06/02-14:00
バジリコ・F・バジオ「兄よ、宇宙へ帰れ」
駅前劇場/当日券3700円
脚本・演出:佐々木充郭
出演:三枝貴志/武田諭/佐々木千恵/宮本奈津美/阿久澤菜々/木下実香/坂本和彦/澤井裕太/橋本昭博/植田祥平/如月せいいちろー/宇都宮快斗/岡本より子/松浦智美/岸野健太/吉原小百合/岡村弥実/陣内ユウコ/古屋敷悠/亀岡孝洋
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2013年06月01日

ハイバイ「て」

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 ある家族の物語。4人の兄弟姉妹、暴力をふるっていた父、うろたえる母、ぼけてしまった祖母。祖母が間も無く亡くなるという時に、離れ離れになっていた家族が集まる。和気あいあいとした家族を演出しようとする長女、そんなものを意に介さない長男、その兄の言動に怒る次男、馴染みたいとも思えない次女‥‥。

 家族の物語ってのは“いい話”が多いが、さすがにハイバイはそんな優しい物語は作らない。この家族は父親のDVという暗い過去があり、兄弟姉妹の間でもわだかまりが残っている。つまり家族の心は全然ひとつになんかなっていなくて、幸せとは程遠いようにも見える。

 でも物語が進むにつれて、それぞれの登場人物が何を思ってどんなつもりでそんなことをしていたのかがわかってくる。一筋縄ではいかなくて、嫌な奴だと思っていた人物が後からとても愛しくなったりする。芝居の演出だが、しかし現実にもよくあることだろう。

 作者がこの作品で描こうとしたのは何だろうか。壊れた家族でもやっぱり家族っていいね、だろうか。それとも、家族と言ってもダメな時はダメだね、だろうか。あるいは単に面白いネタとして使っただけだろうか。ちょっと心地よい暗さに浸りながら、その辺がちょっと気になりました。

2013/06/01-18:00
ハイバイ「て」
東京芸術劇場シアターイースト/ローソンチケット3405円
作・演出:岩井秀人
出演:岩井秀人/上田遥/永井若葉/平原テツ/青野竜平/奥田洋平/佐久間麻由/高橋周平/富川一人/用松亮/小熊ヒデジ/猪股俊明
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ピンク地底人「ココロに花を」

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99パーセントの人々が携帯電話を持つ都市で連続変死事件が発生。刑事の坂本は病気の妻を想いながら事件を追う。時を同じく女子高生マキの兄が交通事故により植物状態に。しかしマキの親友アスカは兄が出歩く姿を見たという…。
マキは叫ぶ。「兄ちゃんを返せ!!」
(チラシより)

 舞台の中心は意識が戻らない人達が多数入院している病院。料理好きだった妻に付き添う刑事の夫。妹の友達とデート中に轢き逃げに遭った男。有力な政治家の息子は友達とドライブ中に交通事故を起こして電柱にぶつかった。それぞれの意識と想いが夢と現実を混ぜて行く。

 前回の「明日を落としても」と同様、効果音を役者の声で表現する手法が使われていました。ただ今回はラスト近くで役者のほとんどが演技している状態となり、効果音の人手が足りなくなったのか録音BGMも使われていました。そこはちょっともったいなかった。この劇団がずっとこのスタイルでやってきたわけではないそうですが、独特な雰囲気を生むので続けてほしいと感じます。

 物語は複数のエピソードが並行して進みながら次第に混ざってくるのですが、かなり集中して観ていないとすーっと状況がわからなくなってしまう感じで、やや疲れました。

2013/06/01-14:00
ピンク地底人「ココロに花を」
王子小劇場/劇場支援会員
作・演出:ピンク地底人3号
出演:クリスティーナ竹子/ピンク地底人5号/ピンク地底人6号/上田耽美/大原渉平/川北唯/小林まゆみ/勝二繁/高山涼/田米克弘/ 諸江翔大朗
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