
「タマゴを買いに行って来る」(チラシより)
そう言い残してあの人は姿を消した。
わたしはあの人の全てを分かっていたのだろうか。
償いの意味を問う被害者と加害者の濃密な物語。
田舎の喫茶店が舞台。近所にある森は自殺の名所らしい。失踪した夫、健気に店を守る若妻とバイト、幼馴染の警官たち、森の取材に来た男。そして、妻を交通事故に遭わせた加害者の男、夫の浮気相手。
なごやかな雰囲気の喫茶店のように見えて、そこに関わる人々はそれぞれに秘密と裏を隠している。それはどすぐろい、グロテスクな、そしてどうしようもなく切ない。何の変哲もない人物が実はすごい秘密を隠していたりするので、次は何が出てくるかわからない。芝居はそんな秘密が少しずつ明かされていきながら進行して、ラストは恐ろしい破局を迎える。
戯曲がelePHANTMoonのマキタカズオミですからね、気持ち悪いのは当然でしょう。ただ背景とか展開に疑問が残る点が少なからずあり、誰かに解説してもらいたい気分になった。
2013/05/19-14:30
青年団若手自主企画マキタ企画「シュナイダー」
アトリエ春風舎/当日券2000円
脚本・演出:マキタカズオミ
出演:海津忠/齋藤晴香/森岡望/石松太一/伊藤毅/江原大介/寺井義貴/芝博文
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