小田ユキヒト、星野カズユキ、仁村ヒトミの三人は都内で一軒家を借りてルームシェアをしている。星野はある日、長期監禁から逃亡してきたという女、三谷クミコとコンビニで遭遇。たまたまそれを保護する。星野から彼女を警察に連れて行くよう頼まれた小田は、ふとしたきっかけから自分自身で三谷クミコを守りぬくことを決意してしまう。そうして始まった奇妙な4人暮らしは段々と歪みを見せはじめ……。
(チラシより)
ひょっとこ乱舞が大爆破と称する最終公演の後、アマヤドリに改名して最初の公演。何か作風の変化があるかもと、期待半分不安半分でドキドキしながら観に行ったが、脚本は2009年に上演した「モンキー・チョップ・ブルックナー」を改訂したものであるためか、特にガラリと変わった印象はありませんでした(2009年のは観ていませんが劇団の作風として)。
また、前回吉祥寺シアターで満席に近かった劇団がSTスポットで大丈夫なのか(客数的にも演出的にも)心配でしたが、それも問題なく。2009年にはシアタートラムだったようですが、むしろSTスポットの空間の方が作品に合っているように感じたのは演出の上手さによるものでしょうか。
ひょっとこ乱舞は人の心の脆い部分をピックアップするような話が多い気がします。この作品は世間知らずの童貞が変な女に引っかかってのぼせあがった挙句、友達もなくして人の道も踏み外していく話というところでしょうか。彼が彼女にそこまで没入してしまうきっかけ部分はあまりはっきり描かれていないので想像に任されていますが。
群舞のシーンのキレの良さは相変わらず惚れ惚れします。そこだけ集めたDVDが出たら買うかも。それを大画面でずっと映してるバーがあったら通いたい。
2012/05/26-14:00
アマヤドリ「幸せはいつも小さくて東京はそれよりも大きい」
STスポット/当日清算2500円
脚本・演出:広田淳一
出演:笠井里美/松下仁/田中美甫/稲垣干城/糸山和則/小角まや/榊菜津美/中村早香/広田淳一
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