
昭和初期のとある山村。(チラシより)
近年発展めざましいこの国でも、通信交通の行き届かない山村では
未だ不可解な習慣に囚われている。
村の祭りでは数年に一度、籤によって村人を一人選び出し、
神様への供儀とするため川に流すという。
ある年、男は幸か不幸か籤を引き当てた親友の身代わりとなり自らその役目を買ってでる。
祭りの日、男は申し訳なさそうにする親友の顔を尻目に、川に流されていった。
そしてそのまた数年後。
「誰か一人の命と引き換えにしなければならない」事態が村に降りかかる。
それが核戦争だったのか隕石だったのか宇宙生命体だったのかはよくわからない。
もっとくだらない事だったかもしれない。
村の寄合では連日、誰を人身御供にするかの議論が交わされるが、誰一人として進み出る者はいない。
彼らの脳裏には、一人の男の顔が浮かんでいる。
「あいつみたいな奴がいれば」と。
古い風習や伝説が残る田舎の村の話‥‥だが物語はどんどんゲーム性を帯びてくる。前回見た「シャハマーチ」は全体がゲームの中だったが、今回も俯瞰してみると似たような構図があった気がする。
テンポ良く進む多人数漫才のような会話が心地よい。登場人物は決して少なくなく、途中からだんだんややこしくなっていくが、どうにか置いていかれずに着いて行けたと思うが、ラストだけは「あれ?」という印象を受けた。じっくり考えると確かにそういう伏線はあったが、それはちょっとなあ‥‥
この作品が描いていたものは色々と奥深そうであるが、あまりそこには深入りしない。表面しか観ていないのかもしれないが、それでも十分に楽しかった。
2012/02/26-19:00
電動夏子安置システム「君には頭がさがる」
シアターグリーン BASE THEATER/当日精算2800円
脚本・演出:竹田哲士
出演:渡辺美弥子/小原雄平/道井良樹/澤村一博/なしお成/じょん/高田淳/田口愛/堤千穂/林佳代/谷仲恵輔/古川健/片桐俊次//小早川知恵子
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