違う、違わない、それはどうでもいい(チラシより)
内容はシェイクスピアのハムレット。演出は凝っているが話の筋は変えていない。舞台中央に客席中段まで続く大きな壁を設け、基本的に観客はどちらか半分しか見えない。後方座席なら両側が見えるものの距離が遠くなる。私にな初めての経験だったが、当日パンフレットによると中野成樹の「はんぶんみえない三部作」なのだそうだ。
確かに、半分が見えないことによって全部見える場合とは異なる面白さがあった。単純な作品にひねりを加えるといった所だろう。最初から半分しか演じないのではなく、観客自身が反対側の座席を選んでいれば見えたはずのものが見えないからこそモヤモヤが生まれ、それが演出効果になっている。とはいえ、それがどのくらい意義のあることかは疑問が残る。
演出自体は、大仰なセリフ回しを排して現代風の軽いノリにしている感じだ。この辺はどうしても最近観た柿喰う客の「悩殺ハムレット」と比較してしまう。柿喰う客が現代風の言葉でありながら劇的な演出だったのに対し、今作は本当に軽かった気がする。この演出意図がどこにあったのか聞いてみたいところだ。
2011/12/26-19:30
中野成樹+フランケンズ「ゆめみたい(2LP)」
アルテリオ小劇場/当日券3500円
誤意訳・演出:中野成樹
翻訳:長島確
出演:村上聡一/福田毅/竹田英司/田中佑弥/洪雄大/野島真理/石橋志保/斎藤淳子/小泉真希/北川麗
トロンボーン:後藤篤
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