2011年09月30日

あうるすぽっとプロデュース「家電のように解り合えない」

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わかり合うには、寛容の心が必要ですが、それだけじゃ不十分。
頭の良さも必要です。
でも、私たちは大抵、それほど頭が良くない……。
そのうえ大抵、不寛容でもある。粘り強さも足りない。
そして私たちはなにより、自分が気持ちよく、気分良く、生きていたい。
それを基本的に、他のなによりも優先したい。
そしたあれやこれやで、わかり合うための努力は、あまり行われなかったりします。
困ったことです。
でも困ってばかりいるというだけは、ナシにしようと思います。
解決なんかしなくてもいいから。
(チラシより)

 チェルフィッチュの主宰で劇作家の岡田利規と、ダンサーの森山開次とが組んで創作した、演劇ともダンスともつかないパフォーマンス。作風としては以前観たチェルフィッチュの「三月の5日間」や「ゾウガメのソニックライフ」と同じような、登場人物の独白(たまに会話)を積み重ねて全体像を作るようなスタイル。リアルな演劇の対極を目指しているような表現方法だ。チェルフィッチュや岡田利規はずっとこうなのだろうか?まだこの3つしか観ていないが。

 ゾウガメの…と今回はいずれも、役者が役を演じるのではなく役者として何かについて観客に語りかけているような表現だった。冷静に考えればそれもまた台本に従った演技なのだが、それを忘れて本当に素の役者がしゃべっているような印象を受けた。決して自然なしゃべりかたをしているわけではなく、一種独特なリズムでセリフを吐いているにも関わらず、だ。これはある意味すごい演技力なのだと思う。特にセリフの多い青柳いづみは少し前に観たマームとジプシーにも出演していて、その時も存在感があったが、今回も惹きつけられた。

 例えば、家電について語る場面。「みなさんは、電子レンジの仕組みを知っていますか」と客席に向かって問いかける。それから電子レンジの仕組みを説明する。その後で、「みなさんは、わかりますか? 私はセリフとしてしゃべっているけど、本当は全然わかりません」と(細かい言葉は忘れたがそういう意味のことを)言う。しかしこれもまたセリフだ。もしかしたら素の彼女は電子レンジも冷蔵庫もしっかり仕組みを理解しているのかも知れない。実際に理解してないかもしれないが、彼女が舞台上で発した言葉はそれを言っているのではなく、セリフなのだ。けれどその場では、セリフではなく本当に彼女が本心をしゃべっているように聞こえた。

 同じようなことは、女優二人のダンスシーンにも言える。森山に指導されて(ダンサーではない)女優二人が踊るのだが、これが実に面白い。ギクシャクとして滑らかさに欠け、しかも体が硬いので森山がイメージした通りに動けていない(これは言葉で説明される)。単体で彼女達のダンスだけ見るとそれほど下手とも思えないが、森山開次が同じ動きをやってみせると全く違うのがわかる。‥‥という「設定で」踊っているわけだ。

 この公演は全部で10ステージあり、私が観たのは7ステージ目。もちろんその前の稽古期間から相当に踊っているわけで、(体の硬さは仕方ないとしても)本当にギクシャクしかできないままではないだろう。あくまでも「ギクシャクして滑らかでないダンス」を演じているのだ。いやもしかすると本当にどう頑張ってもどうしようもなかったのかもしれない。さすがに森山と同レベルにはならないだろうから仕方なくそういう演出にしたのかもしれない。だがステージ数が進むにつれて段々上手くなってしまってもいけないのだから、「踊れなさ加減」は固定したはずだ。ヘタな踊りを本当にヘタのように踊る。これも結構すごいのではないか。

 とはいえ作品全体としては、正直な所、意味がわからなかった。観ていてなんとなく面白い気はしたけれど、演劇というよりピタゴラスイッチを眺めているような面白さに近かったと思う。

2011/09/30-19:30
フェスティバルトーキョー・あうるすぽっとプロデュース「家電のように解り合えない」
あうるすぽっと/当日券4800円
作・演出:岡田利規
出演:森山開次/安藤真理/青柳いづみ
美術:金氏徹平
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バンタムクラスステージ「短編集:エドゥアルド・ウルリヒ教授の鎮痛剤/他」

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No.1 NEVER EVER MEET. 暗殺者の預言と預言者の暗殺
東京都某所の拘置所で、ある女「容疑者」が取り調べを受けている。
しかし女には、自身がそのように扱われる覚えがない。
一方、取調官は「預言者」を自称し、「容疑者」を精神的に追い詰めていく。

No.2 Prof. Eduardo Ulrich's PAINKILLER. エドゥアルド・ウルリヒ教授の鎮痛剤
ドイツ、ハイデルベルク郊外の大学の一室。
引退し、田舎に引っ越す準備を進めているウルリヒ教授の元に訪れた二人。
懇意にしていた女学生・アビゲイルと、聴講生・マルセル。
二人との最後の会話でつまびらかにされる、教授の秘密とは。
 (原案協力/西田博至)

No.3 Thanatos official duties. タナトス行政府
関西の下町に暮らす、とある家族と、その家族を見守る「行政府の役人」の物語。
身体が弱く、入院を控えた長女・かの子。
勝手に大学を辞めると言い出す長男。
家族の気持ちがすれ違いはじめた矢先に、かの子の容態が急変する。
(サイトより)

 大阪を本拠地とする劇団バンタムクラスステージが初の東京公演。大阪で2回観ていますが、いずれも質の高い見応えのある作品だった。役者の年齢層がやや高めである上に、小劇場演劇では珍しく「作中に過激な暴力表現がございますので、12歳以下のお子様の入場はお断りしております」という、実に大人の劇団だ。池袋演劇祭参加作品とのことだが、この演劇祭はなんだかよくわからない。

 今回は短篇集ということで上記の三作を連続上演。「暗殺者の預言と預言者の暗殺」は少しオカルト的な話で、彼らが置かれている状況が少しずつ明らかになっていくものの、最後まではっきりとは示されない。「エドゥアルド・ウルリヒ教授の鎮痛剤」はスパイものハードボイルドな駆け引き。「タナトス行政府」は、“お迎えに上がる”黒服の人々と、ある家族の物語。ちょっとボケたおじいちゃんを演じた殿村ゆたかが最高に良かった。

 前2つは従来からのバンタムクラスステージのイメージ通り、やや暗い雰囲気で暴力的。暴力的と言っても派手なアクションがあるのではなく、地下室の拷問のようなジワジワした暴力だ。しかし3つ目の「タナトス行政府」だけはちょっと異色だった。後半は抱腹の笑いとほろりと来る感動で締めくくり、いい気分で劇場を出ることができた。

 小劇場演劇では、勢いで魅せる作品はあっても渋くかっこいい芝居を本当にかっこよく演じられる劇団は少ないような気がする。バンタムクラスステージはそれができる劇団なので、ぜひ今後も東京へちょくちょく来てほしいと思った。

2011/09/30-15:00
バンタムクラスステージ「短編集:エドゥアルド・ウルリヒ教授の鎮痛剤/他」
シアターKASSAI/当日券3000円
原作・脚本・演出:細川博司
出演:木下聖浩/福地教光/hime/樋上孝治/山本香織/殿村ゆたか/緒方ちか/丈太郎/稲野杏那/小沢和之
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2011年09月24日

オイスターズ「雑音」

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 家にネズミがいるような気がして、天井裏を覗いてみた。
 海で写真を撮ったら、いないはずの妹が満面の笑みで写っていた。
 韓国料理屋に入ったのに、メニューに韓国料理がない。
 解決するため、妹はいないけどバイト先までタクシーに乗って、
 男たちが八事霊園をさまよう。

 不条理劇だ。意味があるのかないのかわからない。もしかしたら全体を通じて深遠なテーマが描かれているのかも知れないが、多分違うだろう。どこかズレている人々がズレた会話を繰り広げる。こういう不条理系の演劇は最近少なくなってしまった。楽しめるか楽しめないかが大きく分かれる作風だと思う。

 ダラダラした会話と言えばヨーロッパ企画とかあひるなんちゃらが思い浮かぶが、オイスターズのそれは状況設定そのものがグダグダなので、次第に世界が破綻していくようなダラダラさだ。典型的なのは車に乗っているシーンで(大道具は無いので全部マイムで表現)、車の座席配置を完全に無視した位置に並び、演劇のお約束をさりげなく壊していく。そして、主人公の会社の女の子がたまに登場して、舞台上に描かれた世界全体をぶったぎるように過ぎ去っていく。

 この劇団の作品を以前観たのはカラフル3での「トラックメロウ」で、あれは単純に面白く楽しめた。今回の「雑音」は、それに比べるとちょっと間延びした印象がある。長く間を置く演出は、にぎやかな流れの途中でたまに使われると面白いのだが、あまり多用すると作品全体が眠いものになってしまう。時にはスピーディな展開も交えるともっと良かったのではないだろうか。正直少し寝た。

2011/09/24-19:30
オイスターズ「雑音」
こまばアゴラ劇場/当日券2800円
作・演出:平塚直隆
出演:中尾達也/平塚直隆/山田マキオ/田内康介/河村梓/伊藤寛隆/吉田愛/二瓶翔輔/高瀬英竹
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2011年09月23日

石原正一ショー「ハリーポタ子」

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魔法学校に通うハリーポタ子は、一人前の魔法使いをめざす女の子。ライバルに負けず、日夜努力の毎日。恋にも、お菓子の誘惑にも負けず!ど根性と勇気で、魔女狩りを企む悪の女王に立ち向かう!
(チラシより)

 大阪から5年ぶりに東京へ来た石原正一ショー、今回のネタは魔法使い。主人公のハリーポタ子(なぜハリ子・ポッターじゃないんだという突っ込みもありますが)をはじめ、モモサリメグキキなどたくさんの魔女っ子が舞台狭しと飛び回る。前説で石原正一が語っていた通り、ストーリー展開は基本的に「努力・友情・勝利」のジャンプ方式だ。地上に降りたポタ子は(なぜかまず尾崎豊に会ってから)何者かの魔女狩りによって名だたる魔女っ子が次々と消されているという事態を知ることになる。その黒幕を探す中で色々な魔法少女と出会うわけだが、みんなパワーがあるので、まず戦ってから仲間になるパターンが繰り返される。

 若い女優陣による戦闘シーンは華やかさと力強さが組み合わさって実に派手。衣裳や小道具もそれなりに作られてはいるが、なんといっても女優のパワフルな動きと元気な叫び声で圧倒される。シアター711は客席が横6人分しかないのだが、その倍くらい大きな舞台から迫ってくるような感覚だった。さすがは大阪のエンターティナーと言っていいだろう。全ての魔女っ子の元ネタをちゃんと知っているわけではないけど、名前だけなんとなく知ってる程度でも十分ついていける。恐らく詳しい人は詳しいなりに細かいネタに気づいてより楽しめたのだろう。その辺りのバランスもさりげなく巧みだ。

 これは腕組んで鑑賞する舞台ではなく、いっしょに手を叩いて盛り上がるべき作品だ。役者はおそらく相当に体力を消費すると思われるが(若いからいいのか)、とにかく心の底から楽しんでいる気持ちが舞台から溢れてくるようで、その勢いに飲み込まれるのが心地よい。こっちも楽しくて仕方ない! これだけのパワーがある劇団は東京にもそうそうないと思う。ぜひもっと頻繁に東京公演をやってほしいと切に願う。

2011/09/23-19:30
石原正一ショー「ハリーポタ子」
シアター711/当日券3300円
作・演出:石原正一
出演:竜崎だいち/丹下真寿美/吉睦アキコ/田川徳子/Sun!!/加順遥/片山誠子/森口直美/日詰千栄/小椋あずき/信平エステベス/石原正一
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ミナモザ「ホットパーティクル」

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2011年春、私は原発に会いに行く。
その日、「私」はみんなから避けられている福島第一原発に自分を重ね合わせてしまった。
「いつ死んでもいい」が口癖だった「私」は「彼」に会いに行くことを決める。まるで片想いの相手に会いに行くように。そんなことして何になるのか。その先に何か答えでもあるというのか。そもそも、「彼」に会いにいくことはひとつの可能性を捨てることにはならないか。
原発まであと20キロ。

自分の人生を見失った愚かで不謹慎な女の旅が始まる。
(チラシ、サイトより)

 タイトルは放射能関連の用語だが、原発事故の話ではない。原発事故(と演劇と自分)について考えまくった作家の話だ。すべてノンフィクションだという。夜の公園で飲みながら語り合い、酔った勢いで福島に行こうと決意する。彼女の周りの友人達それぞれの事情とか、過去の恋愛とか、将来への不安とか、全部ひっくるめて無編集で提示したような舞台だ。そんなことまで晒さんでも良かろうにと思うくらい赤裸々に告白しているが、それによって彼女の心境が伝わってくる。

 それが、震災で「劇場の中より外がはるかに劇的になってしまった」状況に対して、瀬戸山美咲が選んだ表現方法。そこで表現されているのは、「今この時にこの場所にいる一人の人間の主観的な情動」だと思われた。

 会場に入ってすぐ、開演前の舞台上スクリーンに当日の日付が映写されていたのが象徴的だ。演劇はライブであり、映画や小説のように後から鑑賞されるのではなく、演じられた瞬間に受け取られる。演者と観客は時刻と場所を共有している。そこに意味がある。

 独立した作品として評価する限り、完成度の高いものではない。笑えるシーンや緊迫する場面もあったけれど、全体としてはがちゃがちゃとしてまとまっていない印象が強かった。直後のTwitterを見てると「賛否両論あるだろう」という意見を多数見かけたが、否とされるのはその完成度の低さだろう。

 けれど多分、この作品にとって完成度の低さはマイナス要素になっていないだろう。実際、否定的に語る声を目にした記憶はない。否定するタイプの人はそもそも観ないのかもしれないが。

 原発事故については数多くの「客観的な判断」がある。正しい判断をするためにそれは必要であり、科学的な議論の上で主観的な感情は無駄・無益なものとして切り捨てられがちだ。しかし私たちの「気持ち」は常に主観的なものでしかありえない。時事問題を描く演劇に求められるのは「事実の客観的な描写」ではなく「事態に直面した人々の描写」だろう。だとすれば、この表現は十分にひとつの手法として成り立っていたと思う。

 できることなら3年後、この内容を一切変更せずに再演してみてほしい。作品が一切変わらなくても、演者と観客は3年の時を経て変化しているはずだ。「作品が変化しなくても時代が変化することで作品の持つ意味が変化する」という体験ができるだろう。

 主役を演じた佐藤みゆきは最近とても魅力的な舞台を多数見せてくれる女優さんだ。福島出身とのことで、彼女の実家に行くシーンも劇中に登場する。しかしそれによって影響を受けたりせず、純粋に女優として与えられた役を演じることに徹していたのではないだろうか。彼女にはそれができそうな気がする。まあ、個人的に知ってるわけじゃないけれど。

2011/09/23-15:00
ミナモザ「ホットパーティクル」
SPACE雑遊/前売券3000円
作・演出:瀬戸山美咲
出演:佐藤みゆき/平山寛人/浅倉洋介/外山弥生/秋澤弥里/西尾友樹/大川大輔/中田顕史郎
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2011年09月22日

柿喰う客「悩殺ハムレット」

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偉大なる国王が変死を遂げ、風雲急を告げるデンマーク!
新たに王位を継いだのは、残忍で下劣な先王の実弟クローディアス!
王妃ガートルードは義弟との愛欲に溺れ、王子ハムレットは陰鬱と狂気に取り憑かれる─
「なんてこった…この世の歯車がイカレちまった!!」
柿喰う客の新機軸!女優によるシェイクスピア上演プロジェクト第一弾!
“悩まし過ぎる”復讐劇、ここに解禁!!
(チラシより)

 言わずと知れたシェイクスピアのハムレット。ストーリーはほぼそのままで、全ての役を女優が演じています。シェイクスピアの時代には全員男優が演じていたとのことなのでまずその点が挑戦的ですが、単にそれだけではなく、中屋敷法仁によるリズミカルな演出も非常に面白いものでした。そもそも登場人物の大半が男性ですが、美人な女優がイケメンを演じると「人間離れした超イケメン」になるので実にかっこいい。多分、宝塚にハマる人が多いのもそれが魅力なのでしょうね。しびれます。

 ハムレットを演じるのは深谷由梨香。1月の「愉快犯」では頭がハッピーなお姑さんを演じていましたが、今回は苦悩する若き王子です。小柄ですが切れのいい動きと良く通る声で堂々たる主役っぷりでした。悪役であるクローディアスはイケメン女優コロ。この人は男役が似合いすぎて逆に意外性がないので、悪者らしさがもうちょっと強ければよかったと思います。柿喰う客の名物女優・七味まゆ味はフォーティンブラス。出番が少ないものの、ラストをきちっと締める役です。

 個人的にすごく良かったのは荻野友里演じるホレイシオ。なんとなく、萩尾望都の作品に出てくる高校生みたいな雰囲気。特にハムレットが死んだ後、フォーティンブラスやイングランドの使者と会話するシーンは、ゾクゾクしました。静まり返る演出の効果もあるのでしょうけれど、感情を抑制して力強く語る透明感のある声で、心を持っていかれる気分でした。

 シェイクスピアを全員女優で演じるのは「女体シェイクスピア」としてシリーズ化し、次回は「絶頂マクベス」とのこと。とても楽しみです。

2011/9/22-19:30
柿喰う客「悩殺ハムレット」
シアタートラム/前売券3800円
原作:W・シェイクスピア
脚本・演出:中屋敷法仁
出演:七味まゆ味/コロ/深谷由梨香/右手愛美/葉丸あすか/大杉亜依里/岡田あがさ/荻野友里/葛西幸菜/葛木英/熊川ふみ/高島玲/新良エツ子/兵頭祐香/渡邉安理
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2011年09月15日

巨顔レンズ「くるぶし」

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家族に性同一性障害者がいたら…
あなたはどうしますか?
性同一性障害者を抱えた家族の
心温まる物語
 性同一性障害である鳥羽大吉は現在新宿二丁目で働く。
 そんな大吉を父に持ち、その事実を知らずに育った娘の樹と、その事実を抱えて育った息子の剛太、そして他界した妻の美佐子を軸に語られる家族の回想録である。
(チラシより)

 性同一性障害(って長いし早口言葉みたいだからオカマでいいと思うんだが)を扱った作品としてはちょっと珍しい設定。カモフラージュで女性と結婚する人はいると聞くが、そういう人が子供まで作るんだろうか? あるいは、子供作った後で真の自分に気づいた? いずれにせよ、本当の性同一性障害なら子供を作れないような気がするのだが、そうでもないんだろうか。

 ‥‥という疑問はさておき、そういう秘密を抱えた男と家族の交流を描いた作品としては、よくまとまっていたと思う。主役の深沢さんのオカマ演技はとても板についていた。壁に付けられた窓のような物を使って場面転換を示す工夫などはとても小劇場的で好ましかった。

 脚本も演出もそれぞれ外部に依頼するという、小劇場では珍しいスタイル。どういう形で作品づくりを進めているのか興味深いが、まずは次回作を楽しみにしたい。

2011/09/15-19:00
巨顔レンズ「くるぶし」
OFF・OFFシアター/当日券4300円
作:登米裕一
演出:星田良子
出演:原田優一/森下亮/白石廿日/川俣しのぶ/深沢敦
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2011年09月09日

ポツドール「おしまいのとき」

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 自宅でゆっくりしている主婦のもとへ、子供が川で溺れたという電話がかかってくる。その一人息子は亡くなった。二人きりになった夫婦は葬式の後も茫然自失の状態。その家へ、故障したエアコンの修理に二人の男が来る‥‥

 主人公を襲う不幸の連鎖と、落ちぶれていく様子。登場人物はみな、お世辞にも立派ではない。主人公にも感情移入は難しく、ただ壊れていく人と崩れていく人間関係を傍観するような見方しかできない。

 舞台装置は質感も高く構造もポイントを押さえた秀逸なもの。役者の演技は迫真で、あまり近づきたくない嫌な雰囲気がぷんぷんと漂ってきた。ドロドロの愛憎劇に浸りたい人にはたまらないだろう。テレビや映画では決してできない作品。かなり盛況だったのもうなずける。

 私がポツドールを観るのは初めて。なんだかとても話題になっていたのでとりあえず行ってみたら、当日券を求める行列もなかなかの伸び方で期待が膨らんだ。通路に置かれた追加座席(丸椅子)になったが見難くはなかった。超満席の客を上手にさばいていた制作はなかなか優秀だったと思う。

2011/09/09-19:30
ポツドール「おしまいのとき」
ザ・スズナリ/当日券5000円
脚本・演出:三浦大輔
出演:米村亮太朗/古澤裕介/松浦祐也/松澤匠/篠原友希子/高木珠里/新田めぐみ
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2011年09月08日

ヨーロッパ企画「ロベルトの操縦」

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ロベルト、うしろ!
劇団のワゴンでよく長い距離を移動したりするのですけど、そのたびに、サービスエリアで妙に五平餅なんかを買ってしまったり、走りながら、運転席と助手席で妙に未来のことを語り合ってしまったりするのはなぜだろう、と思ったときに、移動には、なにか人を高揚させる力があるのでは、という気がしました。ロベルトの操縦とそれにともなう高揚を、お目にかけられればと思います。(上田誠)
(チラシより)

 チラシのイメージと異なり、ロベルトはパイロットではなく乗り物の名前だ。どうやら戦車みたいな兵器らしい。荒野の中に作られた軍の基地で、出動命令を待っている。延々と待ってるうちに緊張感もなくなり、ロベルトを運転してジュース買いに行こうぜって話に・・・

 いつも通りのヨーロッパ企画で、ダラダラと気の抜けた会話が中心。無茶なことを言うひとと突っ込む人と、まとめようとする人と引っ掻き回す人と。しかしラスト近くでは意外な展開にある意味ビックリした。まさかそうなるとは!

以下、多少ネタバレかもしれませんので公演終了(広島10/2)まで白文字。全ステージ終了したので黒文字化。

 ロベルトの動きの表現がなかなか面白かった。舞台の真ん中に下手を向いて置かれたロベルトはかなり巨大で動かないが、周りの人物や建物や背景が下手から上手に動くことで、ロベルトが下手に進んで行くのを表現する。

 舞台上にベルトのようなものが渡してあるのか、いろんな物がスムーズに流れていく。あれは奥で人が引っ張っているのだろうか。次は何が流れてくるのかと期待しつつ見続けていた。それが今回の見所だったのではないだろうか。

2011/09/08-19:00
ヨーロッパ企画「ロベルトの操縦」
本多劇場/当日券4500円
作・演出:上田誠
音楽:木暮晋也
出演:石田剛太/酒井善史/角田貴志/諏訪雅/土佐和成/中川晴樹/永野宗典/西村直子/本多力/山脇唯/山本真由美/中山祐一朗
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2011年09月02日

あひるなんちゃら「準決勝」

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別に負けてもいい戦いが、ここにある。みんな集まって、70分。
(チラシより)

 草野球の準決勝に挑むチーム‥‥の友達がトロフィーを盗んでくる。「これが欲しいんでしょ?」いやそういう問題じゃない。そこから始まるグダグダな会話劇。いつものあひるなんちゃらのぐだぐだ。

 コンパクトにまとまってて、まったく気負わずに観られる芝居としてあひるなんちゃらは最適だと思う。中身はない。ただその場限りのしょーもない会話だ。3日で忘れる。でも次の公演は観に行く。そんな程度の観劇。重い作品も良いが、こういう軽い作品も必要だ。

2011/09/02-19:30
あひるなんちゃら「準決勝」
駅前劇場/前売券2000円
脚本・演出:関村俊介
出演:黒岩三佳/根津茂尚/伯美乃里/関村俊介/池田ヒロユキ/金沢涼恵/三瓶大介/篠本美帆/墨井鯨子/永山智啓堀靖明/松木美路子
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