深夜の病室(チラシより)
もう覚めぬはずの眠りを貪るひとりの女
四人の男女の会話はやがて
姉妹が女から受けた加虐の記憶に辿りつく
これは、
なにをしなくとも数日後には止まるはずの
ひとりの女の呼吸を巡る物語
児童虐待をテーマにした作品。過去に上演された作品の再演で、再演するきっかけは大阪で起きた幼児遺棄致死事件とのこと。あれは思い出すだけで涙が出てくる出来事でした。とはいえこの戯曲は母親の育児放棄といった単純な話ではありません。
母親に虐待された姉妹が物語の中心で、おとなしい妹には娘がいて、奔放な姉は妊娠中。そして虐待した母親は死の床にある。そんな病院の一室が舞台です。核心は「親に愛されて育った子供は子供を愛する親になり、親に虐待されて育った子供は子供を虐待する親になる」というセオリーです。ああ、怖かった。
姉妹それぞれの夫のキャラクターも個性的。1時間ちょっとの小品ですが、かなり濃密な舞台でした。会場のギャラリールデコはかなり狭い所なので、最前列に座ると役者に手が届きそうな距離です。緊張感のある場面では臨場感ありすぎで体が硬直しました。
2011/05/28-14:00
風琴工房「紅き深爪」
ギャラリールデコ/前売券2500円
作・演出:詩森ろば
出演:浅野千鶴/葛木英/園田裕樹/佐野功/大塚あかり/横尾宏美/露木友子/中山有子
続きを読む:スタッフリスト