
牢獄の物語。舞台美術は極力シンプルに。もしくは素舞台。(チラシより)
窃盗団。ダイヤモンド。逃亡。投獄。
邂逅。生命感あふれる純白のブリーフ。カレー。スプーン曲げ少年。男とおとこのキス。穴。大脱走。小さな待ちの大きな煙突。ラジオからの曲。たんぽぽ。家族。
そして主人公はトンネルの先に光を見つける。
〜「ローヤの休日」2005年演出ノートより〜
2005年に初演の本作、再々演となる今回は女囚バージョンも上演されたようだが、私が観たのは普通のゲキバカバージョン(男だけ)の方。舞台は素舞台で、わずかな小道具のみ使われていた。
冒頭、窃盗団が捕まるまでの展開はダンスで表現されるが、歌はなく身体表現のみで存分に語ることができていた。途中にも随所でこの身体表現力が発揮され、普通の演技にスパイスを加え観客を引きつけ続ける。なかなか粋な演出だ。
初めて観たつもりだったが、調べてみたら劇団コーヒー牛乳の名で活動していた頃に長久手で開催されたカラフル3に参加しており、それを観ていた。なるほどあれか。体力芝居やな。カラフルで観た「男の60分」はそれほど強い印象を受けなかったが、2度も再演するくらいだからこの「ローヤの休日」はかなりの自信作なのだろう。
実際、再演が納得できる内容だった。ラスト近くで「真相」が明らかになるのだが、これはそれほど意外な展開ではない。多分、繰り返し観ても変わらず楽しむことができると思う。また、力のある役者が少数精鋭で演じるこういう作品は個人的にも好きだ。
2011/03/26-14:30
ゲキバカ「ローヤの休日」
王子小劇場/当日券3500円
作・演出:柿ノ木タケヲ
出演:西川康太郎/石黒圭一郎/鈴木ハルニ/伊藤今人/中山貴裕/渡辺毅/加藤靖久
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