2011年03月26日

ゲキバカ「ローヤの休日」

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牢獄の物語。舞台美術は極力シンプルに。もしくは素舞台。
窃盗団。ダイヤモンド。逃亡。投獄。
邂逅。生命感あふれる純白のブリーフ。カレー。スプーン曲げ少年。男とおとこのキス。穴。大脱走。小さな待ちの大きな煙突。ラジオからの曲。たんぽぽ。家族。

そして主人公はトンネルの先に光を見つける。
〜「ローヤの休日」2005年演出ノートより〜
(チラシより)

 2005年に初演の本作、再々演となる今回は女囚バージョンも上演されたようだが、私が観たのは普通のゲキバカバージョン(男だけ)の方。舞台は素舞台で、わずかな小道具のみ使われていた。

 冒頭、窃盗団が捕まるまでの展開はダンスで表現されるが、歌はなく身体表現のみで存分に語ることができていた。途中にも随所でこの身体表現力が発揮され、普通の演技にスパイスを加え観客を引きつけ続ける。なかなか粋な演出だ。

 初めて観たつもりだったが、調べてみたら劇団コーヒー牛乳の名で活動していた頃に長久手で開催されたカラフル3に参加しており、それを観ていた。なるほどあれか。体力芝居やな。カラフルで観た「男の60分」はそれほど強い印象を受けなかったが、2度も再演するくらいだからこの「ローヤの休日」はかなりの自信作なのだろう。

 実際、再演が納得できる内容だった。ラスト近くで「真相」が明らかになるのだが、これはそれほど意外な展開ではない。多分、繰り返し観ても変わらず楽しむことができると思う。また、力のある役者が少数精鋭で演じるこういう作品は個人的にも好きだ。

2011/03/26-14:30
ゲキバカ「ローヤの休日」
王子小劇場/当日券3500円
作・演出:柿ノ木タケヲ
出演:西川康太郎/石黒圭一郎/鈴木ハルニ/伊藤今人/中山貴裕/渡辺毅/加藤靖久
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2011年03月19日

荒川チョモランマ「偽善者日記」

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─“傷つけない”が、私たちの絶対ルール─

一組の男女の愛と破局、
その子どもたちが生きる夢、

荒川チョモランマが3幕仕立てで展開する

人生=“幸福のドラマ”をめぐる
偽装・私小説芝居。

信じれば救われる、なんて嘘
怠惰で受身な願望に終止符を

虫の良い弱音を捨て惑いを断つ
独り善がり? ならそえれいい

幸せにできなくて/なれなくて

「ごめんなさい」
(チラシより)

 基本的に学生劇団のようだが本作は大阪と東京で上演された旅公演となっている。3幕というか3話オムニバスという印象を受けた。登場人物は繋がっているのかも知れないが内容はほぼ無関係だったのではなかろうか。

 題材としては割とインパクトのある設定が列挙されていたが、その中描かれていたのは恋人、友人、家族と言った人間関係の微妙な距離感だったと思う。愛でも憎しみでもなくて、つかず離れずの距離感。

 やたらと高低差のある舞台装置で、最前列で観た人は首が疲れただろう。この装置が本当にその効果を発揮するのはラストだけだったので、少々もったいない気がした。

2011/03/19-19:30
荒川チョモランマ「偽善者日記」
劇場MOMO/前売券2300円
脚本・演出:長田莉奈
出演:加賀美秀明/荒木昌代/山本恭裕/石井由紀子/三輪友実/吉武奈朋美/あに子/佐藤幸樹/寺尾みなみ/近藤伸哉/椎谷万里江
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elePHANTMoon「劣る人」

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人間はどこまで堕ちることができるのか?
邪悪になることができるのか?
この世界は肉と汗と脂と悪臭に満ち満ちている。
(チラシより)

 どこかの田舎の場末のスナック。いつも客は常連が2~3人いるだけ。しかも、店の女の子と不倫関係の会社員とその妻、客同士のゲイカップル、気のある客に売春している女、金を盗られたと暴れる男・・・みんなドロドロした関係。

 しかし、不思議とどの人物も悪者にはなりきれない。みんな事情があり、弱さとズルさがあり、下手くそな生き方を続けている。まさにタイトルの通り「劣る人」達なのだ。だから憎めないし、同情するように感情移入ができてしまう。

 私が行く飲み屋は店も客もいい人が多いので、こんなドラマチックな展開はない。あっても困るが、ちょっとだけ関わってもみたい世界だ。タクシードライバーとママの二人だけになった時の穏やかだけど寂しそうな会話が良かった。

 “優しくて健気そうに見えて実は悪女”というホステス役を演じた佐藤みゆきが素晴らしかった。この人の舞台を観たのは4回目だが、演技の幅がものすごく広い。今後も追いかけたい女優だ。

2011/03/19-14:30
elePHANTMoon「劣る人」
サンモールスタジオ/3000円
脚本・演出:マキタカズオミ
出演:江ばら大介/安藤理樹/カトウシンスケ/芝博文/根津茂尚/保田泰志/川嵜美栄子/佐藤みゆき/重実百合/瀬戸山美咲/二階堂瞳子

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2011年03月05日

カムヰヤッセン「サザンカの見える窓のある部屋」

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そこはどういう部屋なのかを想像してみる。

ビールの缶には煙草の吸殻が詰まっていて、
鼻をかんだ後のちり紙が散乱している。
加湿器とかあってもいい。
隣にはもしかしたら
ビックリするくらい
背の高いマンションとかがあって
そこは一日中陽が当たらない
かもしれない。

縁側の向こうには
もうすっかり
背丈の縮んでしまった
サザンカの木が
植わっていることにする。
ぽたぽたと、何房も
地面に落ちてしまっていて、
時間が経ったからか、
ところどころ茶色に変色している。

冬から春になる時、ってのは
いっぱいのものが生まれるそばで、
いっぱいのものがダメになっていく気がします。
今回はそんな話になれば、と思っています。
(チラシより)

 脳に埋め込んだ特殊な機械で記憶力を拡張できる技術があり、その技術を開発した第一人者の家が舞台。ジャーナリストとしてそこに訪れてきた男女が実は・・・。

 設定は少しSF要素があるものの、筋としては家族愛を描いた非常にストレートな芝居。奇をてらうような所はまったくなく、人によっては物足りないと思うかもしれないが、落ち着いて穏やかな気持ちで観ることができた。

2011/03/05-19:30
カムヰヤッセン「サザンカの見える窓のある部屋」
小劇場楽園/前売券2500円
脚本・演出:北川大輔
出演:甘粕阿紗子/金沢啓太/遠藤友香理/小島明之/北川大輔
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範宙遊泳「労働です」

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 時点が止まった地球を人力で回して、副産物からなにやら奇妙なエネルギーグッズを生産する工場。そこで働く若者たちの恋愛だとか上司と部下の確執だとか、人間模様を描いているようないないような。

 戯曲に沿った芝居というより、フリースペースで繰り広げられるイベントといった趣向の作品。どこまでがシナリオなのか分からないが、途中で駅前に繰り出した役者が通行人にインタビューする様子を場内のモニターで見物するなど、やりたい放題という感じだ。

 普通の演劇を観るつもりで足を運ぶと面食らう。まさかこういうものとは予想もしていなかったので、気持ちを慣らすのに多少の時間を要した。また、正面と背面をめいっぱい使うという自由すぎるレイアウトも、真ん中に座ってしまった自分はどのタイミングでどっちを見ればいいかわからず困惑した。

 物語は細切れのエピソード的に語られ、全体像は多分ない。別に全体がなくても個々のエピソードを楽しめば良いのだと思われる。その様に解釈して、楽しませてもらいました。

2011/03/05-14:00
範宙遊泳「労働です」
STスポット/前売券2300円
出演:熊川ふみ/埜本幸良/浅川千絵/大石憲/川口聡/大森美里/加藤サイセイ/丸石彩乃/斉藤マッチュ/田中美希恵/福原冠/緑茶麻悠/高木健
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