2010年10月31日

イキウメ「図書館的人生vol.3食べもの連鎖」

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食べものは、燃えてエネルギーになるだけではなく、
新しい細胞となって古い細胞と入れ替わり、体に留まります。
あなたの体はあなたの食べたもので作られているのです。
あなたは食べものなのです。

「それ」が無いと生きていけない―
私たちは一体、何を食べているのだろう。
(チラシより)

 微妙にリンクした4話オムニバス。1話目は料理教室でベジタリアンに心酔した妻と肉が食べたい夫。2話目は万引きで生活してる男と懸賞で生活してる女。3話目はある方法で不老不死を実現した115歳の医者とそれを取り巻く人々。4話目はその医者と彼女の料理教室。

 クライマックスとも言える3話の医者が1話冒頭と4話に出てくる料理教室の先生なので、2話目だけ浮いてる感じだ。単作としてはむしろ2話が一番面白いと思ったので、どういう意図でこのような構成にしたのかちょっと真意を測りかねた。

 図書館的人生vol.3ということで、vol.1と2があったのだろうが、残念ながら未見。シリーズとしての一貫性やテーマもまるで事前知識を入れずに観たため、そうでなければもう少し何か解ったかもしれない。

2010/10/31-18:00
イキウメ「図書館的人生vol.3食べもの連鎖」
シアタートラム/当日券4000円
作・演出:前川知大
出演:浜田信也/盛隆二/岩本幸子/伊勢佳世/森下創/窪田道聡/緒方健児/大窪人衛/加茂杏子/安井順平/板垣雄亮
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2010年10月24日

コマツ企画「どうじょう」

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あのころの精算はお済みですか?

二万だとか三万だとかいって騒いでましたよね。
それって高いんですか安いんですか?当時不景気だからって騒いでたけど。

いまどうですか?売る気にもなりませんか?
買う奴も減りましたもんね。なんで減ったんでしょうね。そもそも減りましたか?

いま、どうしてるんですか?
いま、あなたはどうしてるんですか?

あのころの精算はお済みですか?
(チラシより)

 舞台は、新橋のうらぶれた雑居ビルの一室と思われるデートクラブの事務所。その店員と、登録している男女。いろいろ引っかかりながら、踏み出したり踏み出せなかったり暴走したり逃げたり、そんな男女の機敏とか打算とか、人生の浮き沈みとか。

 質感の高い舞台だった。あとから振り返ると舞台美術はさりげなく凝っていた。惜しむらくは上手側、事務所以外の場面で使われたスペースが事務所に比べて地味すぎたことだ。

 役者はいずれもはまっていて秀逸だった。実にぴったりな雰囲気を持つ役者を方々から集めたとみえる。主要人物はもちろんだが、イチローみたいな顔の訪問販売の人が印象に残った。ものすごく小さな声でボソボソ話すのだが、ああいう演技はなかなか見たことがない。

 物語は一種の風俗業界の裏みたいな話であり、実際にあんな風なのかどうかはわからない。でも例えぜんぜん違ったとしても作品としての面白さは変わらないだろう。

 ただ、観客参加のような企画は蛇足だったと思う。舞台上だけで十分に魅力があったのだから。

2010/10/24-14:00
コマツ企画「どうじょう」
OFFOFFシアター/当日清算2500円
作・演出:小松美睦瑠
出演:本井博之/小松美睦瑠/政岡泰志/町田水城/佐野功/斎藤加奈子/小林タクシー/宍戸香那恵/墨井鯨子/佐々木潤/松本美奈子
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2010年10月23日

カリフォルニアバカンス「パジャマと毒薬」

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殺るか、殺られるか。ていうか、働け!
朝川雄二27歳。働かない、家事しない、 反省しないー
恋人・ 菜穂子のカネでゲーセン通い詰めなんて流行最先端いまをときめくニート君。
ブックオフに売る本探して菜穂子の部屋を物色中の雄二は、とある段ボールを見つける。
中には、 男物のパジャマと得体の知れない薬瓶、 そして一冊の本。
そのタイトルは「人を殺すアイディア」!?

「あの箱はなんだ・・・俺を殺すつもりか」
「……違うわよ」

雄二の生活態度に呆れ果てる菜穂子を前に、ヒモライフ棚上げで逆ギレする雄二。
諍いの中、 チャイムとともに現れた隣人も巻き込み急展開、
そして、さらけだされていく菜穂子の秘密の過去……
複雑に絡み合うバカと愛情、猜疑心。
すれ違いの果てに辿り着くゴールはひとつの選択が左右する。二人の運命は何処へ! ?

カリバカ第22回公演は、カリバカ初の再演!!
現代をバカとなんたらで鋭く切り裂く、大好評だったヒューマンコメディをもう一度!
「あやうし!ニート君!」
2010年秋、再び黄色が下北沢を熱くする!
(サイトより)

 内容はくだらない。本当にくだらない。これを観たからって人生には何の役にも立たないだろうし、二週間もすれば内容も忘れてしまいそうだ。でも単純に楽しめる、ジャンクフードのような舞台。この劇団はこれでいいと思う。

 全員がボケでありツッコミであり、その立場がコロコロ変わっていくため飽きることなく笑っていられる。話はちっとも前に進まないが、ずっとその世界に浸っていたい気になる舞台だ。

2010/10/23-17:30
カリフォルニアバカンス「パジャマと毒薬」
小劇場楽園/当日券3000円
脚本・演出:佑里沢満人
出演:大口達也/大矢三四郎/桂弘/清水智香子/田中美穂/富岡利佳子/宮健一
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2010年10月16日

遊園地再生事業団「ジャパニーズスリーピング」

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 「世界で一番眠い場所はどこですか?」そんなインタビューを軸に、眠りすぎる女や眠ることのない男が眠りのなんたるかを探している。あらすじを書くことが意味のない内容だということは百も承知の上で書くなら、そんなところだろうか。

 劇中冒頭で語られるように、この作品は混沌としている。テキストが順番通りに演じられないというのが本当かどうかは知らないが、起承転結を語るようなものではない。ずらり並んだディスプレイと大きなスクリーンによる映像を多用し、眠りをテーマとして描かれる様々な光景が羅列されたような舞台だった。

 なんとなくすごい感じはしたが、演劇というよりコンテンポラリーダンスを観たような観後観だった。遊園地再生事業団を観たのはこれが初めてだが、いつもこんな感じなのだろうか。

 ラスト近くで、床に寝そべった女優に上から水をかけるシーンがあった。それを見ながら、次のステージまでに乾かすのか着替えるのかどっちなんだろうなどと考えてしまったのは、その時点で集中力が切れていたからかもしれない。

2010/10/16-19:00
遊園地再生事業団「ジャパニーズスリーピング 世界で一番眠い場所」
座・高円寺1/当日券4500円
作・演出:宮沢章夫
出演:上村聡/田中夢/牛尾千聖/岡野正一/川口聡/山村麻由美/伊沢磨紀/やついいちろう
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2010年10月09日

箱庭円舞曲「気付かない奴は最強」

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 舞台は社会人サークルを斡旋する団体の事務所。生涯の仲間を得るためと称する出会いイベントを数多く企画しているが、その裏は・・・。

 「明るく楽しいグループだと思ったら実は色々な暗部を抱えていることがじわじわ明らかになってくる」というのは割とよくあるパターンですが、その路線としてはストレート。登場人物もほどよく腹黒くほどよく愚かで、タイトルの「気付かない奴」がほどよくスパイスになっている。

 よくあるパターンとは言っても丁寧に作りこまれており、印象は悪くなかった。小劇場演劇を初めて観る人に勧めるのにもちょうどいいくらいだ。

2010/10/09-19:00
箱庭円舞曲「気付かない奴は最強」
駅前劇場/当日券3300円
脚本・演出・前説・選曲:古川貴義
出演:小野哲史/須貝英/爺隠才蔵/片桐はづき/原田優理子/津留崎夏子/ザンヨウコ/菅原功人/澤田慎司/井上裕朗/古川貴義
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カンパニーデラシネラ「異邦人」

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もしかすると、昨日かも知れないが、私には分からない。
(チラシより)

 アルベール・カミュの「異邦人」を原作としているが、物語の筋を追うような作品ではない。というか原作を読んでいないので筋に即しているかどうか判断できないが、見所は身体表現の方だろう。

 サーカスのようにこれ見よがしな肉体の誇示ではなく、あくまでも演劇、ダンスの技術として要所要所で見せられる表現は、普段自分が見慣れている演劇公演とは一線を画するものであり、ダンサーの動きと技術にかなり驚かされた。

 片桐はいりが出演ということが大きく書かれているが、別に彼女がいなくても十分見ごたえたがあったと思う。

2010/10/09-15:00
カンパニーデラシネラ「異邦人」
シアタートラム/当日券4500円
原作:アルベール・カミュ著、窪田啓作訳『異邦人』(新潮文庫刊)
演出:小野寺修二
出演:片桐はいり/田村一行/藤田桃子/森川弘和/菅彩夏/手代木花野/小野寺修二
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2010年10月08日

風琴工房「葬送の教室」

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実験のために航空機を墜落させることなどできない。ならばこの死を活かし、そこから学ぶことだけが、娘への唯一の弔いと彼は信じた。
「今日の夕方には帰ります」と
あかるい声で告げた一人娘はついに帰ってはこなかった。
その夕方消息をたち、
山中に墜落した航空機に娘は搭乗していたのだ。
企業の研究職にあった父親は、
起こってしまった悲劇について、
故意にはできようはずもない貴重な実験であり、
それを活かすことが必要であるとの見識を持ち続けた。
そして、大きなことでなくてもいい。
できることから、ささやかなところから改善していくべきだ、
と、訴えた。
その考えは時に周囲との軋轢を呼ぶ。
しかし、父親は諦めない。
彼にとって、
その研究は弔いであり、
学びであり、
唯一の再生への道であった。
(チラシより)

 不覚にも号泣した。この作品は実際の事故を題材にしているけれどフィクションだという。しかし下手なドキュメンタリーよりずっと伝わってくるものがあったと思う。

 私も理系でかつて研究職にあった人間だから、この作品の主人公に感情移入するのは容易だ。いつまでもクヨクヨしていても仕方ないし、死んだ者は帰ってこないのだから、事故の原因究明や生存率向上を図るための努力をしていくべきだと考える。そして、ヒステリックに泣きわめき続けるような人を愚かだと見下してしまう。この作品を観るまでは、そんな自分は冷静で正しいと思っていた。

 しかしこの作品を観て初めて、泣き続ける人の気持が理解できた気がする。合理的に割り切ることができない心情が“見えた”気がする。共感できるかどうかはわからないが、合理的に割り切ることだけが正しい姿勢ではないということはわかった。

 嗚咽が漏れるほど泣いた芝居は初めてだ。なぜそんなに涙が溢れたのかわからないが、多分、凄まじい悲劇が語られているのに悪者が一人も登場しないからだと思う。

2010/10/08-19:30
風琴工房「葬送の教室」
ザ・スズナリ/当日券3500円
脚本・演出:詩森ろば
出演:津田湘子/根津茂尚/松木美路子/山口雅義/佐藤誓/岡森諦/多門勝/浅倉洋介/岡本篤/清水穂奈美
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2010年10月03日

サマカト「4-doors」

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 「ひとつ屋根の下」「箱」「変換な本音」「不親切なダイジェスト」の4話オムニバス。4話合わせても90分程度に収まる小品集。いずれも、どこかズレた人たちによる奇妙な会話劇。そのズレ具合が絶妙で笑いを誘います。

 projectサマカトポロジーから改名してサマカト。略したような感じですが、そもそも元の名前も何かわかりません。過去2回観劇して2回とも気に入りましたが、今回はそれらほどのインパクトはありませんでした。まあオムニバスだと個々の話は軽くなりますので、ちょうどよい濃さだったかもしれません。

2010/10/03-18:00
サマカト「4-doors」
シアターシャイン/当日券2700円
作・演出:澤唯
出演:内山清人/澤唯/浅野千鶴/東俊樹/菊池千里/久我真希人/小林真梨恵/篠本美帆/高橋裕太/土屋朋子/凪沢渋次/堀田祥子/矢口恵子/若林史子/渡辺実希
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2010年10月02日

菅間馬鈴薯堂「九月の遠い海」

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もう一度‥‥‥、あなたに会いたい
(チラシより)

 1959年から1960年にかけて小学生と教師だった登場人物たちのエピソードと、大人になった1980年にその頃を回顧するエピソードから構成される。当日パンフレットの挨拶文に「極太の筆で書きなぐったような荒筋と稚拙でちぐはぐな劇構成」とあるように、かなりダイナミックな作品だった。

 明らかに大人の役者が小学生を演じると、大劇場ならともかく小劇場ではどうしても滑稽な印象を避けられない。それを補うには子供らしい動作、つまりちょこまかした素早い動きと感情に任せた大きな声が必要だろう。だからきっと出演者は体力の限り動いていたと思われる。

 残念ながら、ノスタルジックな背景を懐かしいと感じるほど自分自身がまだ年をとっていないせいか、あまり世界に没入して鑑賞することはできなかった。

2010/10/02-19:30
菅間馬鈴薯堂「九月の遠い海」
王子小劇場/当日券2800円
台本・演出:菅間勇
出演:黒岩三佳/舘智子/市橋朝子/橋口まどか/松丸琴子/瀬戸口のり子/千田里美/遊佐絵里/稲川実代子/好宮温太郎/西山竜一/吉川湖/高橋康則/守富龍人/加藤和彦/小高仁
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