2010年07月29日

空晴「ボクのサンキュウ」

bokunosankyuu.jpg

新入社員寮に、
ある日突然
赤ちゃんがやってきた!?
問題を抱えた男達の男達による、
育児がはじまる…
(チラシより)

 親子や家族の愛情を、独身男性の集団の姿から描いた作品。ネタバレになるので詳細は書きませんが、登場人物一人一人がそれぞれの親子や家族の課題を抱えており、この分野のテーマがてんこ盛り状態。個人的にも色々と他人事ではありません(^^;;

 積極的に動いているのにちっとも周りから覚えてもらえない山田を演じた北村さんがいい演技をしていました。

2010/07/29-19:30
空晴「ボクのサンキュウ」
アイホール/当日券3300円
作・演出:岡部尚子
出演:上瀧昇一郎/平本光司/小池裕之/上田康人/国木田かっぱ/や乃えいじ/北村守/福重友/太田清伸
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2010年07月19日

sunday「サンプリングデイ」

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およそ100人のある一日を5人の役者がサンプリング。
そして、ある一日を超えて、永遠とか、
そういうものに少しでも近づこうとする話。
(チラシより)

 普通の芝居のようにひとつの物語を語るのではなく、ある一日に暮らす膨大な数の人々の生活の断片を切り取って、繋げた作品。

 観賞するのにもある程度の根性を必要とする。一貫した物語はないが伏線は張りまくりなので、終わってどっと疲れた気がした。作品としてどう評価するかは難しい。面白いとか楽しいというのはちょっと違う気がするが、インパクトはあった。

 大きな道路の信号待ちで無数の歩行者が並んでいて、その人達がみんなそれぞれの思考や生活がある、それはすごいことなんだというメッセージは心に残った。劇的な物語などなくても人生はある。

2010/07/19-18:00
sunday「サンプリングデイ」
精華小劇場/当日券3500円
作・演出:ウォーリー木下
出演:赤星マサノリ/平林之英/宮川サキ/井田武志/安元美帆子
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2010年07月10日

中崎町ミュージアムスクエア「グレープフルーツ・ムーン」

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「耳もとで、名古屋から那覇ですってささやかれてみたいねん」「だれにィ?」「半井さん」「なからいさん?」「さっき7時のニュースで言うてた。今夜はグレープフルーツ・ムーンでしょう、きっと月と星ひとつって」
(チラシより)

 二人芝居の楽屋で、役者二人がぐだぐだと喋っている。芝居の話から女の話、人生観まで、あれこれ、長々と脈絡もなく。それだけの短編ですが、味のある小品になっていました。

 前半はややエンジンがかかっていない感じで眠くなりましたが、途中で役者が乗り始めると吸い込まれます。舞台と客席が本当に近いので、内容によっては客席から突っ込みをいれたくなるほどでした。

2010/07/10-20:00
中崎町ミュージアムスクエア「グレープフルーツ・ムーン」
コモンカフェ/当日券2800円(ワンドリンク)
作:蟷螂襲
演出:石原正一
出演:久保田浩/石原正一
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劇団ジャブジャブサーキット「蒼の組曲」

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向こう側は、
どう?
(チラシより)

 カラオケボックスを改装したアパート。独特なルールで生活する住人たちは皆、何かから隠れるような事情を抱えている。そんな所に突然現れた男は、自分が未来人だと言う‥‥

 設定はSFだけど終始SFらしくない雰囲気で、それが却って良い効果を出していました。21世紀に入って10年も経って、昔のSFらしいSFがもはや逆に時代遅れになったのかもしれません。

 あとからHPの説明を読んだら、作品の舞台そのものが近未来という設定だったようです。それは分かりませんでした。

2010/07/10-14:00
劇団ジャブジャブサーキット「蒼の組曲」
ウイングフィールド/前売券2800円
作・演出:はせひろいち
出演:はしぐちしん/コヤマアキヒロ/岡浩之/栗木己義/平野行俊/荘加真美/咲田とばこ/小関道代/中杉真弓/なかさこあきこ/くまのてつこ/はせひろいち


劇団公式サイトの紹介文
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2010年07月04日

トリコ・A「せりふのないガラスの動物園」

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「もしかして彼はいま、私に恋をしているのではないだろうか」
テネシー・ウィリアムス「ガラスの動物園」の登場人物、ローラをモチーフにした恋の物語。
一方通行の恋。叶うはずが無いのに、叶うかもしれないと、一瞬、心を踊らせてしまった私。
母のように美しい過去も無く、弟のように見つめるべく将来も無い。
けれど私は今、恋をしている。
恋をすると、時間はとまる。だからひろがっていく、

私の美しい、まぼろし。
(チラシより)

 せりふなしとの触れ込みでしたが後半はせりふありまくりでした。全体が不条理な演出なのでたいした問題ではないかもしれませんが、「物語を全部せりふ抜きで描く」というのは難しい挑戦だと思って期待していたので、できれば本当にせりふなしでやってほしかった。

 せりふの件を除けば、あとはもう何が何だか分からないような演出。少しずつ少しずつ状況は飲み込めてくるけれど、物語を追うことが意味をなすのかどうか。ただ断片的な情景を眺めているだけでも充分に楽しめる作品でした。

 四宮章吾の不気味っぷりと、ナース服を着ていた女優の切れが良かったです。

2010/07/04-17:00
トリコ・A「せりふのないガラスの動物園」
アトリエ劇研/当日券2800円
出演:二口大学/松本芽紅見/岩田由紀/大木湖南/四宮章吾
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2010年07月03日

突劇金魚「幼虫主人の庭」

youchuushujin.jpg

「なついちゃ、ダメ。」
ハローハロー
ぼくの緑の庭がついてる、
白い新居に若い夫婦が引っ越してきた。
ふたりはメロメロテレテレで、
でも、今日初めて知った。
お互いの好み、きょうだいの数、
親の名前、すきなうた。
電撃的な夜。
彼は兄と犬を連れてきて、
彼女は兄とたくさんの妹を連れてきた。
紹介してる紹介してる。
はじめて今、はじめまして。
ぼくとぼくの幼虫は、庭で笑って見てる。
くすくすくす
ふたつの家族をドキドキしながら見てる。
くすくすくす
(チラシより)

 庭のある新居に越してきた夫婦の話ですが、妻も夫もゆるやかにおかしい。それ以上にかれらのきょうだい達がおかしい。そして庭に住んでいる何かの幼虫が存在するだけでおかしい。

 つくづくサリngROCKの発想はすごいと思う。ネタバレを避けるため多くは書きませんが、人間と人間じゃないものが穏やかにつながって、その境界線はあいまいです。

 しかしアフタートークでA級MissingLinkの土橋さんが指摘していたように、結婚とか夫婦というものの本質を突いた表現になっていたと思います。これを何も意図せず作ったのなら、やっぱりサリngROCKは天才だなと思います。

 普通じゃない家庭の幸せな姿なので、私のようなタイプにとっても優しい話です。

2010/07/03-19:30
突劇金魚「幼虫主人の庭」
シアトリカル應典院/当日券2800円
作・演出:サリngROCK
出演:上田展壽/蔵本真見/サリngROCK/片岡百萬両/河口仁/山田将之/一瀬尚代/河上由佳/重田恵/高島奈々/かじはらみか
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