2009年11月23日

悪い芝居「最低の夢」

saiteinoyume.jpg

1クールで終了した深夜番組が、僕の部屋でリメイクされる!
何故か股間に突起物つけて、つまんなければ即カットジェットフライ!

君に愛 君の自由に愛 自由を駆使し、僕の部屋から去ってく君にも愛
絶望の淵に立つ度に、邪魔してくるのはいつも愛
「愛が邪魔して、釣りあわねえ!!」と、夢の中では叫びたい。

悪い芝居最新作!!!!!!!!!!!
性器末ミラクルキラーカットアクト『最低の夢』!!
全裸で電車に乗ったのですが、20分ほど、世界は静かでした。必見。
(チラシより)

 悪い芝居を観劇するのは2度目。前回は「東京はアイドル」で、演劇のお約束を打ち破ろうとする面の強い作品でしたが、今回も何かを打ち破ろうとする印象が強く感じられました。

 描かれていた内容はひたすらセックス、セックス、セックスの応酬であり、予想せずに来た人はかなり面食らったのではないだろうか。チラシに書かれていた惹句は全然関係なかった点はちょっと残念。

 むちゃくちゃな舞台のように見えて実はかなり入念に考えて作られていると思いましたが、それによって表現したかったことは何かと言うとよくわかりません。タブーを破ることは派手ですが、破るだけでは表現にならないと思います。

 とは言え、何かやらかしてくれそうな期待を持たせる劇団なので、もうちょっと見続けてみたいと思いました。

2009/11/23-15:00
悪い芝居「最低の夢」
ART COMPLEX 1928/当日券2800円
作・演出:山崎彬
出演:山崎彬/四宮章吾/大川原瑞穂/吉川莉早/西岡未央/梅田眞千子/植田順平/山村哲也
posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月22日

evkk(エレベーター企画)「voy」

voy.jpg

著名な精神科医Xの愛娘が、目の前から忽然と姿を消した。
必死の捜索にもかかわらず、娘の行方はようとして知れず
絶望に打ちひしがれた彼は、孤島の別荘にひきこもっていた。
ある日、そこにAという女性がやってくる。Aの語る妄想は
ある少女が、親の前から姿を隠す物語だった。
娘の失踪と奇妙な符丁を持つその物語にひきこまれ
XはAの治療を開始するのだった……
(チラシより)

 エレベーター企画の公演は昨年の2月に「後瀬の花・安穏河原」を観て以来2度目。まったく違った作品ですが、シンプルな舞台上に深淵な雰囲気を造り込む力量は同様で、見事なものでした。

 メインの舞台は手前に傾斜した平面になっており、金色のシートが貼られています。水をイメージしていると思われたこのシートが終盤で重要な役割を果たすわけですが、まさかの展開でした。

 幻想と現実が入り混じる物語だろうなーと開始10分程度で感じたものの、どこが幻想でどこが現実かはなかなか判別できず、結局ラストまで真実を見抜くことはできませんでした。ただ本当のラストはちょっと反則だと思いましたが。

 精神病を扱った芝居はよほど上手にやらないと安っぽくなってしまいがちな気がしますが、本作は十二分に巧く作られていました。この劇団はまた観たいと思います。

2009/11/22-19:00
evkk(エレベーター企画)「voy」
芸術創造館/当日券3000円
出演:土本ひろき/宮下牧恵/森崎正弘/若林ゆい/中野螢/服部悠夏/谷省吾/山田一幸
posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月21日

維新派「ろじ式」

rojisiki.jpg

直立する電柱
影の直角三角形
電線の上の黒い鳥
多点透視のガラス窓
整列する少年少女
靴と裸足の並列
歌われる数式
(チラシより)

 噂に聞く維新派の公演、初めて観ました。今回は精華小劇場というさほど大きくない劇場の屋内空間のため、有名な野外公演に比べると規模は小さく、ショーケース公演とも言われているようです。

 木箱に吊られた骨やガラクタのオブジェが舞台からはみ出して飾られ、客席まで包み込むように世界を作っていました。舞台上にも同じようなオブジェが大量に詰まれ、それが役者達によってパズルのように組まれては解体される様子は相当に見物でした。

 ビジュアルにせよ音楽にせよ非常によく造り込まれた美しさは感じられましたが、ただ難を言えば途中で飽きる。全体を通じたストーリーがない(もしくは見出せない)ため、集中力を持続する拠り所がないのです。ただひたすら意味のわからないダンスを見続けるのは、ダンスそのものがいかに美しくても私には辛いものがあります。

 似たような雰囲気の作品として少年王者舘が思い浮かびましたが、あちらは最初のうち意味不明でもだんだん物語が見えてくるものです。しかし維新派はまったく見えてこない。楽しみ方がまだつかめていないからでしょうか。色々と消化不良の印象が残りました。

2009/11/21-18:00
維新派「ろじ式 〜とおくから、呼び声が、きこえる〜
精華小劇場/前売券4000円
作・演出:松本雄吉
出演:岩村吉純/藤木太郎/坊野康之/森正吏/西塚拓志/金子仁司/中澤喬弘/貝田智彦/石本由美/平野舞/稲垣里花/江口佳子/中麻里子/尾立亜実/境野香穂里/大石美子/大形梨恵/土江田賀代/田口裕子/沙里/近森絵令/吉本博子/石橋秀美/市川まや/今井美帆/小倉智恵/木下なず奈/桑原杏奈/ならいく/松本幸恵/森百合香/長田紋奈
posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月14日

遊劇体「演劇×世界」

engekixsekai.jpg

3年半振りの新作となります。
書き方はもう忘れてしまったようです。
だから〈描く〉ことにしました。
モノガタリは単純でよいと思ってます。
私は円空仏のような戯曲を、と考えているのです。

山中異界に死者がいて、
夕陽の沈むところにある浄土を臨み、
潮の満ち干とともに〈ニンゲン〉を想う。

それだけでよいです。
〈世界〉は〈ニンゲン〉の魂漂うところ此処其処彼処に在るのですから。
俳優の語り部としての法力を信じようと思います。新たな挑戦です。
(チラシより)

 様々な演劇のエッセンスが絞られた舞踏のような作品。何がなんだかわからないという印象も否めないが、上記のように、描いたと説明されればそうかと思う。

 どうやら様々な出典を持つ戯曲になっているようだが、残念ながら浅学にしてほとんど元ネタがわかりませんでした。マクベスくらいはわかりましたが、ちゃんと色々な古典を知っていれば、もっと楽しめたことでしょう。

 とは言え、何も知らなくても表現と迫力は充分に感じ取れました。この感覚を言葉で説明するのは、いさぎよくあきらめましょう。

2009/11/14-19:00
遊劇体「演劇×世界 世界は恋人たちを愛してい
ウイングフィールド/当日券2800円
出演:大熊ねこ/菊谷高広/坂本正巳/こやまあい/村尾オサム/戸川綾子/あた吉/条あけみ
posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月07日

三角フラスコ「星屑とボタン」

hosikuzutobotan.jpg

取り壊しが決まった古い団地。そこに暮らしていた夫婦。
建物としての役目を失い終わってゆく部屋。
離婚を決め、消えかかる二人の関係。
そこへ子どもの頃、その部屋に暮らしていたという青年が訪れる。

場面は変わって、
とある老人介護施設で生活を送る、もう一組の夫婦。
ゆったりと流れて行く日常。
しかし彼らもまた、やがて静かに終わりを迎えようとしている。
(チラシより)

 初めて観る劇団かと思っていましたが、調べたら1年ほど前にも観ていました。その時は精華小劇場で、今回はウイングフィールドです。前回はかなりごちゃごちゃした舞台装置だったのに対して今回は限りなく素舞台に近いシンプルなもの。

 二場構成で、一場と二場の登場人物は少しだけ重なり、長い時間の経過が醸し出される。しかし両方とも描くのは何かの終わり。具体的には結婚と人生。一場ではやや激しく、二場はひたすらゆったりした時間が流れる。

 前回観た時には何を伝えようとしているか分からないという印象を受けたが、今回はむしろ、押しつけがましく何かを伝えようとはしていないことが良い印象に繋がった。特に後半が良かったと思います。

2009/11/07
三角フラスコ「星屑とボタン」
ウイングフィールド/当日券2800円
作・演出:生田恵
出演:瀧原弘子/七海良郎/熊谷由海/真田鰯/藤原貢/半田深雪
posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月02日

オリジナルテンポ「喋るな、遊べ!」

shaberunaasobe.jpg

シンガポール、ロンドン、エジンバラ、そして大阪。世界を唸らせた鉄板ネタの数々を!
音楽と演劇と映像と光と影の融合の一つの頂点を!くだらなくもファンキー!微妙な間合いと、おおざっぱな身体の動き!「そこにあるもの」を使った「演劇的だけど日常的な」ライブパフォーマンスは、見るものを異次元に運ぶ。演出はウォーリー木下。俳優、ダンサー、音楽家、映像作家、照明家、デザイナーたちが集まったクリエイター集団オリジナルテンポの「新しい遊び」をご覧ください!
(チラシより)

 予備知識なく観に行って、衝撃的でした。上記の通り演劇というよりライブパフォーマンスの集合体なのですが、それでも決して即興だけで作っているわけではなく、ちゃんと練習して細かく作り込んでいることがわかります。

 基本的にセリフは一切なく、だから海外公演も多数こなしているようですが、感性だけで理解できる内容。そして携帯も切らなくていい、写真撮影もおしゃべりもOKという常識外れのスタンス。ただし“大人の事情で”飲食だけはNG‥‥これも笑いをとっていました。

 その場でサンプリングした音を繋いでリズムを作って踊るというシーンがありましたが、最前列に座っていた私はマイクを突き付けられて「好きな歌を歌ってください」と‥‥!かなり焦りましたが、一応なんとか歌いました。何を歌ったかは秘密です。

 とにかく大笑いした舞台、楽しかったです。

2009/11/2-19:30
オリジナルテンポ「喋るな、遊べ!」
精華小劇場/当日券3500円
演出:ウォーリー木下
パフォーマー:平林之英/坂口修一/兵頭祐香
ギタリスト:高山勝典
音響:児島塁
ダンサー:上松泰明
コレオグラファー:コトバタクミ
posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。