
ただ よって消えていくだけの人生よ(チラシより)
リストラされたことを家族に言えずにビアガーデンで酔っ払っていた男が、やたら酒に強い妙な女に出会う。彼女は、酔っ払いだけが行ける「カンパイマウンテン」に行こうとして、飲み干したジョッキの奥を覗く。それは酔っ払い達が見る妄想の世界のようだが、酔っ払い達自身も不思議な青年の想像の産物のようだ。その中で繰り広げられる幻惑のような会話と事件。
‥‥という感じになるでしょうか、粗筋を書くなら。ウイングフィールドの空間を通常と直角に使い、ちょうど居酒屋のカウンターのように横長の舞台を作って演じられました。
酔いはじめる時のちょっと強気な姿勢。醒めていく時の虚しさとか後悔とか自己憐憫とかに似た微妙な感覚。最近私もあんな感じなので身につまされるというか、共感できるというか。もちろんファンタジーのような事件は我が身には起こりませんが。
この劇団の作品は初見ですが、こういう雰囲気は好きなので、次も行こうと思います。
2009/08/29-19:30
劇団Ugly duckling「くちなしジョッキィ」
ウイングフィールド/当日券3200円
作:樋口ミユ
演出:池田祐佳理
出演:出口弥生/吉川貴子/ののあざみ/村上桜子/キタモトマサヤ/山田一幸/わかいのぶこ/橋本浩明/ハ・スジョン/宮川国剛/樋口ミユ