2009年08月29日

劇団Ugly duckling「くちなしジョッキィ」

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ただ よって消えていくだけの人生よ
(チラシより)

 リストラされたことを家族に言えずにビアガーデンで酔っ払っていた男が、やたら酒に強い妙な女に出会う。彼女は、酔っ払いだけが行ける「カンパイマウンテン」に行こうとして、飲み干したジョッキの奥を覗く。それは酔っ払い達が見る妄想の世界のようだが、酔っ払い達自身も不思議な青年の想像の産物のようだ。その中で繰り広げられる幻惑のような会話と事件。

 ‥‥という感じになるでしょうか、粗筋を書くなら。ウイングフィールドの空間を通常と直角に使い、ちょうど居酒屋のカウンターのように横長の舞台を作って演じられました。

 酔いはじめる時のちょっと強気な姿勢。醒めていく時の虚しさとか後悔とか自己憐憫とかに似た微妙な感覚。最近私もあんな感じなので身につまされるというか、共感できるというか。もちろんファンタジーのような事件は我が身には起こりませんが。

 この劇団の作品は初見ですが、こういう雰囲気は好きなので、次も行こうと思います。

2009/08/29-19:30
劇団Ugly duckling「くちなしジョッキィ」
ウイングフィールド/当日券3200円
作:樋口ミユ
演出:池田祐佳理
出演:出口弥生/吉川貴子/ののあざみ/村上桜子/キタモトマサヤ/山田一幸/わかいのぶこ/橋本浩明/ハ・スジョン/宮川国剛/樋口ミユ
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2009年08月15日

燐光群「現代能楽集 イプセン」

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複式夢幻能形式でみつめる「イプセンの原像」。
一九九三年スタート、燐光群+坂手洋二による〈現代能楽集〉シリーズ、最新作!
彼らは自分の居場所を見失っていたんですよ。生きているにせよ、死んでいるにせよ。
ノラを、ヘッダを、世阿弥の庭に招聘する。
(チラシより)

 「ノーラは行ってしまった」「ぶらんぶらん」「野鴨中毒」「ヘッダじゃない」の4話オムニバス。それぞれイプセンの4つの作品「人形の家」「ブラン」「野がも」「ヘッダ・ガブラー」をベースにしている。

 坂手洋二は下記のように語っている:
『現代能楽集 イプセン』は、四つのイプセン作品をもとに、私が勝手にイメージした「現代能」の方式に基づいて、イプセン戯曲を別なシステムに織り直したものである。題材を借りる、でもなく、現代化する、でもなく、「現代能」にしたのである。
(燐光群ホームページおよび当日パンフレットより)

 ‥‥ということだが、残念ながら元の戯曲を観ていないし、そもそも能すら観たことがないので、原作と本作がどのくらい別物になっているかは評価できない。ただ、当日パンフと共に配布された原作の粗筋から考える限りでは、本作は原作のハイライト版のようになってしまったのではないだろうか。

 むしろ原作の粗筋を読まない方が良かったかもしれないが、それは観劇する側に想定されている状態ではないだろう。物語の背景が本作の中ではほとんど説明がないし、それでいて背景を知らなければ登場人物が何者かもわからないのだから。

 何か、私の理解に入らない素晴らしさがあったのかもしれない。けれどそれは私には伝わってこなかった。

2009/08/15-19:00
燐光群「現代能楽集 イプセン」
アイホール/当日券3600円
作・演出:坂手洋二
出演:馬渕英俚可/紺野美沙子/中山マリ/川中健次郎/鴨川てんし/猪熊恒和/大西孝洋/樋尾麻衣子/杉山英之/安仁屋美峰/阿諏訪麻子/伊勢谷能宣/いずかしゆうすけ/西川大輔/武山尚史/鈴木陽介/矢部久美子/渡辺文香/横山展子/根兵さやか
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2009年08月09日

少年王者舘「夢+夜」

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 少年王者舘を観るのは5年ぶり。最後に観たのはダンス公演だったので、そうではない普通の(?)作品ならほぼ6年ぶりだ。名古屋の劇団だから仕方ないが、旅公演もそれなりにやっているのだからもっと観に行けば良かった。久しぶりに観てそう思う。

 タイトルは“ゆめじゅうや”ではなく“ゆめたすよる”。昭和前半を思わせる空間、戦争に行った恋人の帰りを待つ女性、帰ってきた男、女が見る夢? 相変わらず少年王者舘の作品の内容を説明することは困難だ。随所にちりばめられたキーワードを拾ってそれぞれに解釈するしかないのだろう。とは言え、過去に観た作品に比べるとなんとなく主題が分かりやすかった気がする。

 この作品に限らないが、演劇というものに先入観と固定観念を持っている人に是非観てもらいたい劇団だ。今回は京都公演だったが、次回はやっぱり大阪に来て欲しい。

2009/08/09-14:00
少年王者舘「夢+夜」
ART COMPLEX 1928/当日券3800円
作・演出:天野天街
出演:夕沈/白鴎文子/中村榮美子/丹羽純子/黒宮万理/雪港/ひのみもく/☆之/水元汽色/小林夢二/宮璃アリ/水柊/池田遼/PECO/まえださち/井村昂/珠水/小林七緒/石橋和也/落合孝裕/竹内大介
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2009年08月01日

劇団よろずやポーキーズ「超銀河ギャラクシーロマンス HACKLAW」

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「惑星ディーバに伝わる『ラグリマの守護像』を盗んで!」
突如舞い込んだ盗みの依頼。その依頼主はなんとディーバの第一王女様!?
宝を狙い駆け巡るハクロウに立ちはだかるのは
美しき疾風の怪盗ラウール!!そして怪しく輝く3姉妹、宇宙盗賊コスモキャット!!!
果たして守護像は誰の手に!!??
そしてその先に待つのは輝く未来、それとも‥‥
「盗みはすれども非道はせず」宙を駆ける盗賊団ハクロウ見参!
(チラシより)

 ルパン三世やキャッツアイのパロディらしき盗賊団、あとキャプテンハーロックも?モチーフにした宇宙盗賊団の話。色んな作品がネタになっているようで、多分私が知らないのも多数。

 内容は上記の通りで、ありがちと言えばありがちな展開。ただ細かい作り込みが結構よくできていて飽きさせません。主役級よりむしろ脇役の方に巧い役者を使っていたように見えました。

 私がこの劇団を観るのは初めてでしたが、客の入りが尋常じゃなく多く、かなり人気のある劇団だと思われます。笑いの起こり方からして、特定の役者のファンが多いみたいでした。確かに面白くて巧い役者さんなので納得。

2009/08/01-19:00
劇団よろずやポーキーズ「HACROW」
in→dependent theatre 2nd/当日券2800円
脚本:児田真由佳
演出:喜多孝夫
出演:浜沖龍生/児田真由佳/美沙香/中村法文/辻田有美/喜多孝夫/三宅大介/石山隆史/藤本直樹/横井大三/南有紗/田中由紀/中聡一朗/西川亜樹子/川原通央/岡田郷馬/山本なぎさ/國藤剛志
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