2009年07月19日

劇団そとばこまち「コンビニエンス」

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店長の海老川は義理の父から譲り受けた食料品店をコンビニにした。
オーナーヘルプ制度で休暇も取れ、経営が楽になり、収入もアップすると言われたからだ。
だが、キャンペーンと称して大量の在庫を押し付けられ、休みも取れず、愛娘にも嫌われる始末。
そこに店をアダルトDVD店にしないかと大金を持って、男が現れる・・・。
本部の社員やバイトの面々に店長のやりたいようにすればいいと言われるものの、自分のやりたいことがわからない海老川・・・。
あなたが本当にやりたいことは何ですか?
(チラシより)

 コンビニのバックルームを舞台にしたワンシチュエーションドラマ。優柔不断な店長と個性的なバイトの面々、一癖ありそうなブローカーなど、ある意味ベタな設定です。ストーリーも大体お約束な感じ。そういうことで特に新しい印象はありませんが、そこそこ安心して楽しめる作品でした。

 ただラストはちょっと尻切れトンボな感じで、あれ?これで終わり?という違和感がありました。引っ張りすぎるのも嫌いですが、もうちょっと余韻があっても良かった気がします。

2009/07/19-17:00
劇団そとばこまち「コンビニエンス」
in→dependent theatre 1st/当日券2500円
作・演出:古澤直人
出演:中山吉孝/市原文太郎/海透由実子/辻井江実子/森麗文/南園倫奈/鈴木泰信/本村公嗣/古澤直人/北川肇
posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月12日

精華小劇場で創るベルリンの演劇「ケバブ」

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ふるさとが他のどの場所よりもひどい

ダブリン行きの飛行機には、ルーマニア人の2人の若者が隣り合わせていた
西側社会での新しい生活を夢見て祖国を捨て新天地アイルランドでの生活を始めようとする16歳の少女マダリーナと24歳の学生ボグダン。マダリーナは、アイルランドで芸能プロダクションをやっているというヴォイクにスカウトされ、彼を頼ってダブリンに行こうとしている。ボグダンは、奨学金をもらってヴィジュアルコミュニケーションを勉強し、映像関係の仕事に就くことを夢見ている。
異国の地で必死に生き抜こうとする彼らだが、生活は厳しく社会に溶け込むことは難しかった。
遠のく約束の地。やがて3人は違法の商売に手を染め……。
(チラシより)

 ルーマニア人による戯曲、ドイツ人による演出、役者は3人とも日本人という試み。どうやって創っていくのか全くわかりませんが、出来上がった作品は圧倒的な印象のあるものでした。

 あれこれ論評する能も無いので多くは語りませんが、これは果たして日本人だけの団体では創れない物なのかどうかが気になるところです。戯曲も演出も、ルーマニアあるいはドイツの演劇ではこれが普通なのかどうかも知りませんが、個々のパーツは日本でも特別な物ではありません。映像を使った演出は実験的ですが、まったく新しいというわけでもない。

 こういう作品をもっと観たいものです。

2009/07/12-13:00
精華小劇場で創るベルリンの演劇「ケバブ」
精華小劇場/当日券3300円
作:ギアニーナ・カルブナリウ(ルーマニア)
演出:エンリコ・シュトルツェンブルク(ドイツ)
翻訳:市川明(日本)
出演:七味まゆ味/仲里玲央/山崎彬
posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月04日

尼崎ロマンポルノ「機械少女」

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山陰地方にある過疎化に全く歯止めがかからない村、桃花村。
そんな桃花村で代々神主を引き継いできた、蓮沼家。
神主は代々、蓮沼家本家の長男に受け継がれてきた。
なかなか男児が生まれなかった本家に、念願の長男が生まれる。

しかし、長男は産まれて十年もの間、村人の前に顔を出すことは無かった。
神主夫妻の姿勢に疑問を抱く村人多数。
長男の存在を疑うものさらに多数
都会を目指す村人さらにさらに多数
漏水して行く老人たちさらにさらにさらに多数
僅かに残った村人は、次第に蓮沼家の存在自体に疑問を抱きはじめる。
噂は噂を呼び、小さな村はあっという間に噂で満たされる。
噂で満ちきった桃花村は、神主を噂の長男に引き継ぐ祭りの日を迎える。
噂で満ちた村人達の思惑が、右往左往と交差する。
(チラシより)

 「フィクションに紛れるノンフィクション演劇」を標榜する尼崎ロマンポルノの第8回公演で、3年前の作品の再演。前作「鉄鋼スベカラク」では精華小劇場の広々とした空間を生かした立体的な舞台でしたが、本作はウイングフィールドに戻って通常の構造。

 なんとなくおどろおどろしい雰囲気を持つ作風は中毒性があります。閉鎖的で奇妙な因習を持つ田舎村で起こる、忌まわしい事件と隠された秘密──といった所ですが、この劇団が秀逸なのは笑いの要素をほどよく混ぜている所。最初から最後まで陰鬱だったら飽きてしまうでしょうが、笑いを上手に混ぜることでクライマックスを引き立たせています。まあ、セオリーなのかもしれませんが。

 主に笑いを担当するキャラクターを演じていた大江雅子の声がいいと思いました。小声でぼそっとツッコミを入れる時も明瞭に聞き取れるので心地よい。ああいう声はトレーニングで得られるものなのだろうか?天性のものなら、とても羨ましいです。

2009/07/04-19:00
尼崎ロマンポルノ「機械少女」
ウイングフィールド/当日券2500円
作・演出:橋本匡
出演:村里春奈/森田真和/堀江勇気/田米克弘/松田卓三/平井佐智子/大江雅子/永見陽幸/坂本咲希
posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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