2009年05月30日

空の驛舎「変身リベンジャーとスーパーフライトマン〈改訂版〉」

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「フライトは何時?」
「九時やけど。」
「九時ですか。」
「うん。」
「今日も見送ります。」
「ええよそんなん。」
「ここで見てますから。」
「ええよ。いっつもやし。」
「いいですから。」
「うん。」
「確かコーヒー専門店ありましたよね。」
「ターミナルの方かな。」
「行きます?」
「うん。」
「コーヒーおいしいですよ、その店。」
「うん、知ってる。」
「コーヒー頼むとね、手作りのクッキーつけてくれるんです。」
(チラシより)

 舞台は空港のロビー。海外赴任の夫の帰りを待つ妻とその友人達、あてもなく見物に来た女子高生。スチュワーデスとカメラマン。すれ違いながら。少しだけ関わりながら。空想と妄想と夢と、現実?

 空港というシチュエーションを使いつつも、それはさして重要な設定ではないようだ。飛行機は出てこない。それぞれにモヤモヤを抱えた男女の足跡が交錯する場所としての空港だろう。

 中心となっているのは、海外赴任の夫の帰りを待つ妻の、夫婦共通の友人である絵本作家で、彼の恋人は夫人の妹らしい。途中に彼の妄想と思われるシーンが耳鳴りと共に描かれる。おそらく彼の心理を映しているのだろうけれど、それが主題なのだろうか。だとしたらスチュワーデスとカメラマンはどういう存在なんだろう。

 そんなわけでかなり解釈に困る作品で、何を描こうとしているのか良くわからない面が多かった。座席が良くなくて、正直途中からお尻が痛くて芝居に集中できなかったのですが、それを差し引いてもやっぱりよくわからない。

2009/05/30-19:30
空の驛舎「変身リベンジャーとスーパーフライトマン〈改訂版〉」
ウイングフィールド/当日券2700円
作・演出:中村賢司
出演:三田村啓示/津久間泉/塚本くるみ/高橋理紗/石塚博章/中村京子/久保田智美



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2009年05月17日

子供鉅人「キッチン・ドライブ」

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愛にかまけて
愛をなまけてしまった二人

の住む小さな家。男と女は幸せだった頃があまりにも昔のように思えて、茫然とした生活を送っていた。男が仕事をクビになり、女が花を活けるのをやめた時、キッチンからパーティを始める見知らぬ人々の声が響き渡る……。
他人の家々のキッチンを渡り歩いて生きる「キッチン・ドライバー」たちが巻き起こす不条理な出来事にひきずられながら、愛の行方を追う男と女の物語。
築100年になる長屋の、実際の台所と部屋を舞台に、ペーソスとユーモア、そして実験精神にあふれた演出で子供鉅人がみせる、静かな興奮に満ちた室内演劇。
(チラシより)

 会場のポコペンは上記の通り古い長屋の1軒で、前々回の公演「4 1/2(ヨジョーハン)」では舞台になっていた四畳半の部屋が今回は客席となり、隣にある台所が舞台として使われている。余談だが四畳半に20人座れるのはちょっと驚いた。

 芝居は生活が重くなってきた男女のアンニュイな食事風景から始まるが、突然現れるキッチン・ドライバー達によって乱痴気騒ぎに転換する。リアルと不条理が混ざり合った幻のようなパーティが始まり、みんなハイになっていく。そして最後はまたすべてが幻だったかのようにスーッと静寂に戻って行く。

 この空気はなんだろうか。ポコペンという独特な会場ゆえの感覚なのは間違いないが、現実ではありえない展開なのに、手が届くそこにある世界のように感じられた。入って行きたいような、でも関わりたくないような、まさに数メートル離れて見守るのが一番楽しい空気だ。

2009/05/17-15:30
子供鉅人「キッチン・ドライブ」
ポコペン/要予約2000円(1ドリンク込)
作・演出:益山貴司
出演:蔭山徹/樹木花香/益山寛司/BAB/益山貴司/小中太
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2009年05月16日

月曜劇団「どうでもいい結社」

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 登場人物は謎1・謎2・謎3・旅行者・テンシ・テンコ・男・女。テンシとテンコが謎の3人を目覚めさせ、旅行者を導き、男と女がそんな会話をする。謎の3人はどうでもいい議論を繰り返す。延々と。

 あらすじも何もないチラシでも観に行ったのは、この劇団の作品にあらすじなどあってないようなものだということが前回公演から想像できたから。案の定その通りだったけれど、それでもちゃんと結末らしい結末は迎える。

 タイトルの通りどうでもいい内容に見せかけて、実はそんなにどうでもよくないテーマを扱っている。後から考えれば途中で気づきそうな彼らの正体に意外と気づかないのは、多分どうでもよい会話にまんまと乗せられていたからだろう。

 予約特典のおまけはやっぱりどうでもいい物だけど、深い意味が隠されていると思い始めるとそんな気がしてくる物だった。

2009/05/19-15:00
月曜劇団「どうでもいい結社」
in→dependent theatre 1st/前売券2300円
脚本:西川さやか
演出:上原日呂
出演:上原日呂/西川さやか/ヤマサキエリカ/大沢めぐみ/笠江遼子/片岡百萬両/花田綾衣子/幸野影狼
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2009年05月04日

演劇博覧会カラフル3(その2)

演劇博覧会カラフル3
長久手町文化の家/前売券3500円(1日通し券)

帰ってきたゑびす(東京)10:00-11:00
「ワーニおじさん」
 荘厳なビジュアル演劇。登場するのはワニ、タコ、イカ、ウニ、ヘビ。暴君のワニに捕えられたタコ、通り掛かりの家族(なぜか父イカ・母ウニ・娘ヘビ)の緊迫した交流。展開は単純なものだが、ひるがえる大布によるワニの表現や太極拳のようなゆっくりとした動きで迫力を作り出すシーンが印象的。千年女優の動的なビジュアルと対照的。
 タイトルはチェーホフのパロディーだと思いますが、チェーホフのワーニャ伯父さんは読んだことも観たこともないので比較できませんが、雰囲気はシェークスピアっぽい気がしました。

座”K2T3(福岡)11:15-12:15
「ルールブック」
 コントショー。ルールをテーマにした4つのネタ(観劇、ビジネス、フォーム、ドレミの歌)。女性ばかりですが全身タイツや身体表現に力を注いだ肉体派のエンターテイメント。最初はなんだかよく分からない感じでしたが後半は爆笑できました。
 サイトを見るといつもコントショーというわけではなく、普通の演劇もやっているようなので、そちらの方も観てみたいと思いました。福岡なのでなかなか難しいですが。

劇団スマイルバケーション(名古屋)12:30-13:30
「さすらいダンボール」
 ホームレス貧乏家族の女子高生夏見と、鬼すらびびる伝説のヤンキー(二回ダブッて20歳の高校生)のカップル。女子高生の父はいつも熱く、母と兄は優しく、弟も仲良し。夏見は卒業したら結婚すると言い出し、資金を捻出するため父は立ち上がり家族が団結する。
 吉本みたいなドタバタ喜劇。私が名古屋にいた頃は観た覚えがないので新しい劇団だと思われます。もう少し小さい劇場で見た方が面白そう。パワーは感じますので、今後も頑張ってほしいです。

劇団C-Factory(名古屋)13:45-14:45
「シャインズマン」
 戦隊風キャラクター「シャインズマン」を演じるおもちゃ会社の庶務課社員たち。熱血漢や朴念仁やら純朴やら横恋慕やらの絡み合った甘酸っぱい恋物語のハートウォーミングコメディ。古典的演劇と言ってよいでしょう。ある意味ベタすぎて書くことがありません。神出鬼没なおばあさんが良い味を出していました。

ニットキャップシアター(京都)15:15-16:15
「サルマタンXvsドクターベン〜こだわりすぎた男達〜」
 小学校のトイレでいじめられた男が30年間ウンコをせず怪人のような博士になり、ヒーローとなったいじめっこに復讐を謀る。とにかく徹底的なシモネタ舞台。ウンコとセックスのネタが半分以上を占め、客席まで降りてくる奔放さ。めちゃくちゃとしか言えない下品な中身だが、なぜか不快ではない。でも不快に思う人もいるだろうなあ。
 京都の劇団は前衛的なところが多いという印象がありますが、ここもかなりすごい。作・演出のごまのはえは役者としても各所に客演しており、多才な人だと思います。

特攻舞台Baku-団(大阪)16:30-17:30
「ピッツァ・ヒーロー・ミックス・Lサイズ」
 ヒーローたちの青春ドラマコメディ。怪人と戦うために改造された3人組だが、実はあまり仲がよくなくケンカばかりしていた。ある日現れた巨大怪獣と戦うはめになり、博士が作った機械で合体巨大化しようとするが、なんどやっても合体できずに体が入れ替わってしまい、いつまで経っても戦いに行けない。
 体と心が入れ替わった時の芝居はありがちですが上手に演じていました。劇団の売りであるらしい、鍛え上げた役者の肉体は確かに立派です。

負味(東京)17:45-18:45
「負味と申します」
 ショートコント集。映像を使った作品が多く、全体の3割くらいを占めていたような気がする。コントは、オチがあるようなないような意味不明のものも多く、レベルは微妙だが、それも「負味」というスタイルの一部かもしれない。

坂口修一(大阪)19:00-20:00
「煙突」
 怒濤の一人芝居。代役専門の役者である梅が記者を前に、敬愛する兄貴分だったサッちゃんの思い出を語る。わずかな小道具だけで臨場感を出す力量は圧巻。昭和の情景が目に浮かぶように描かれ、一人芝居の神髄を見せてもらったように感じた。落語や講談もそういうものかもしれないが、本当の芸とはこういうのを言うのでしょう。
 大阪で1年間毎週一人芝居をしていることは知っていましたが、平日なので結局一度も観られず、ここで観ることができて非常に嬉しかったです。次の公演がいつかわかりませんが、是非行きたいと思いました。
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2009年05月03日

演劇博覧会カラフル3(その1)

演劇博覧会カラフル3
長久手町文化の家/前売券3500円(1日通し券)

劇団コーヒー牛乳(東京)11:00-12:00
「男の60分」
 母親の葬儀をむかえて田舎に集まった兄弟の、子供の頃の思い出。東京から引っ越してきた二人を手荒く暖かく迎え入れた悪ガキ集団との交流の日々を描く。差別や事故といったトラブルを経験しながらも友情を深めて行く姿はちょっと涙を誘う、心温まる物語。
 最初と最後以外はずっと回想シーンということになるが、時代の雰囲気を出すための構成だろうか。大人の役者が元気のいい子供を演じるのは体力的に相当きついと思うが、その上さらにこの芝居はひたすら走りっぱなし。体力系演劇とでも言おうか。

柿食う客(東京)12:15-13:15
「恋人としては無理」
 ライブパフォーマンスと演劇の融合体。エルサレムに来たイエスの12使徒の物語。ラップか早口言葉のような台詞回しで、全員黒ジャージでピンクの小物を使って目まぐるしく役柄が入れ替わる。そしてたまに訪れる静寂がヒリヒリする。あまりにテンポが速くて聞きづらい部分もあったが、全体として立派な「芸」を成していた。
 同じ作品が少し前に大阪で公演されており、その時は観そびれていたので今回カラフルで観られて良かった。他の作品も観てみたいと思わせる逸品。好き嫌いも別れる作風であろうが、演劇とか芝居の概念の向こう側へ進んだ本当の前衛だと思う。

試験管ベビー(名古屋)13:30-14:30
「はかない恋の物語」
 解散したヤクザのチンピラ達が、8年の刑期を終えて出所した男の命を取るべく組長の墓場であいまみえる。しかし揃ってバカなキャラばかりで大混乱。しつこいほどギャグにギャグがかぶせられていく様子にひたすら笑い続けられる。お得意の観客参加もあり、ライブならではのエンターテイメントに仕上がっていた。
 ナンセンスコント芝居。名古屋にいた頃は欠かさず観ていた劇団であり、久しぶりですがまったく変わっていない様子で嬉しかった。比較的大きなホールなので観客参加はいまいちしっくり来ない感じでしたが、今後もまだまだ続けてほしいものです。

TAKE IT EASY!(神戸)14:45-15:45
「千年女優」
 往年の大女優がインタビューに答えて、激動の生涯を回想する。めまぐるしく転換するシーンを5人の女優が演じきる。原作はアニメだそうだが、白い衣装と幻想的な照明が美しく、スピード感ある動きは最初から舞台作品として書かれたとしか思えない出来栄えだ。華麗なるビジュアル演劇ですが、体力も相当使っているだろう。
 ただ、本来はもっと長い芝居だったものを短縮したと思われ、その結果クライマックス的な場面が大半を占め、観ていてだんだん疲れてきてしまった。一応の緩急はあるものの、回想シーンが多様である故に全体としてのまとまりに欠けてしまったのではないだろうか。

弦巻楽団(札幌)16:15-17:15
「神の子供はみな遊ぶ」
 20年前に超能力小学生アイドルグループ「サイキック5」として人気を博した男女と、彼らの現況を追いかけているジャーナリストによる、喫茶店でのコミカルな応酬。念力や瞬間移動などの能力を持つ人物がたくさん登場するが、基本的に会話主体のワンシチュエーション舞台。多少のミステリー仕立てがあるがコメディに分類して良いだろう。後半出てくる超能力の描写がチープで逆に面白かった。

Theatre劇団子(東京)17:30-18:30
「愛知のオンナ」
 中学の演劇部でいつも一緒だった泪・愛・瞳の3人が、泪の結婚を機に15年ぶりに再開する。疎遠になっていた瞳には招待状を出さなかったが、愛がうっかり電話してしまい‥‥。女の友情ってああいうものなのかね。笑いと涙を誘う古典的演劇。東京の劇団のはずだが愛知をやたら強調したの地元サービスかな? 「東京のオトコ」という作品もあるようですが。

オイスターズ(名古屋)18:45-19:45
「トラックメロウ」
 木彫り職人に会うバスツアーのはずが、無責任な運転手と変な乗客に翻弄されるツアーガイド。途中で事故にあってバスが動かなくなってから、通りすがりの「トラックメロウ」に拾われる。展開は次第に常軌を逸していく様子が楽しい。
 脱力系のお笑いショー。もしくは主人公がツッコミで他は全員がボケの巨大漫才というところか。意味不明な会話が延々と続いているのはばかばかしくも楽しかった。

ユニット美人(京都)20:00-21:00
「山内一豊が言う前に!」
 女性二人がダンスやパロディ芝居やコントを繰り広げるコメディパフォーマンス。演劇というより寸劇の寄せ集めみたいな中身で、全体を通じたストーリーやテーマは特にないようです(無くていいと思う)。しかし楽屋落ち的な現実からアメリカンホームコメディやファンタジーのような世界にテンポ良く落ち込んで行く手際は見事なもの。前衛というより斜め下をくぐり抜けている感じです。
 京都の劇団で、少し前に本公演がありましたが場所が奇妙で見逃しました。次は行きたいと思います。ええホントに。
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