2008年12月27日

石原正一ショー「レディオポリスの上で」

深夜ラジオの人気DJが突如迷い込んだのは 見渡す限りの果てしない夜の海 そして現れる銀河海賊!
電波の荒波かきわけて奴らが狙うは幻の音楽 飛ばせ!愛のメッセージ かけろ!
涙のリクエスト 君のしらないメロディー聴いたことのないヒット曲 Rock'n roll radioは壊れかけ!
僕らの音楽守るため 男は仲間と舟を出す!「俺は海賊王にならないっ!」
石原正一が久々に漫画の世界で暴れ倒し弄りまくる熱中時代。おいいっか〜?
最高のキャストスタッフで贈る青春アドベンチャー 始めようか天体観測
(チラシより)

 懐かしのアニメ・漫画や最近の話題作まで様々なキャラがてんこ盛りで暴れ回る。具体的に列挙するのは控えますが、特にアニメや漫画が好きというわけではなかった私ですら懐かしいと思う正統派路線。私の世代にはたまらないラインナップでした。

 演劇というよりキャラクターショーの感覚で、役者はさぞ楽しんで演じてたことと思われます。ノリノリな気分が客席まで伝わってきました。根底にあるテーマは著作権問題で、あの人が悪役なのはあの作者がアレの代表格だからだろうなあと想像はつきますが、逆手にとったエンターテイメントとして楽しませてもらいました。

2008/12/27-18:00
石原正一ショー「レディオポリスの上で」
HEP HALL/前売券3500円
作・演出:石原正一
出演:石原正一/三谷恭子/真心/西山ひな/隈本晃俊/宮川サキ/宮都謹次/岸本奈津江/梅本真里恵/末満健一/豊田真吾/田嶋杏子/後藤英樹/赤星マサノリ/久保田浩/遠坂百合子/蟷螂襲/山浦徹/日替わりゲスト(NaィKI、コザック前田、平林之英、山田かつろう)
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2008年12月21日

突撃金魚「王様ニキビ」

僕は眠らない。僕は眠らずに、人体模型を作る。
僕は人体模型を 知り合いに似せて作る。
僕は、よる、妄想する。真夜中は僕の世界。
僕の王国。人体模型達を従えて、僕は王様になる。
ここは僕の王国だから。
僕に従う人体模型達を見て、僕はうっとりする。
…しかしやがて朝が来る。僕はバイトに行かなくてはならない。
僕は、本物の人間と関わらなくてはいけない。
(チラシより)

 ↑そういう話。人付き合いの苦手な半ひきこもり青年が妄想に逃げ込むグロテスクなまでに憐れな姿が、これでもかと描かれている。主人公と対照的に周囲の人々が濃い人間関係と外向きの趣味を謳歌している様子が強調され、ますます主人公の内向性と逃避意識が浮き彫りにされる。

 軽いタッチで表現されているけど、冷静に考えたら重いなあ。癖になる悪趣味というほどの毒はないが、体に悪いのがわかっていながら食べてしまうお菓子のような観後感でした。多分、次も観に行ってしまうだろう。

2008/12/21-17:00
突撃金魚「王様ニキビ〜僕とマドンナ達と毒ライオン〜
芸術創造館/当日券2300円
作・演出:サリngROCK
出演:上田展壽/高島奈々/サリngROCK/山田将之/河口仁/横井りな/宮川国剛/重田恵/一瀬尚代/越本佳世子/蔵本真見
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2008年12月20日

桃園会「電波猿の夜」

軒先から溢れでた緑は落ち着かない。私の住まいは住宅地にあり、そこかしこに田んぼもあって、良い所なのだが、私はどうも過度のガーデニングとかそういうやつが落ち着かない。別に流行りとか、エコとか、そういう事を言っているのではない。何の栄養?って思うのだ。何を栄養に?って思うのだ。何かを覆い隠すのではなく、溢れでたもの。という訳で今回は密林だ。アパートの密林が吼えるのだ。ベッドランプの黄色い光が一つ目の獣のように潜むのだ。星の瞬く冬の夜の静寂にだ。わくわくするのは私だけではなかろう。
(チラシより)

 上記の文は粗筋なのか惹句なのかよくわかりませんが、密林のように過剰な室内ガーデニングのあるアパートで悶々とする主人公と、本物のジャングルに囲まれた外国にいる兄の家族との間で物語は往復する。

 部屋に住み着いたヤモリと会話しつつ、不意に届いた兄からの手紙──内容は金の無心だ──を読みつつ、妙に達観した同居人とその彼女さんやテンションの高い友人らと絡みつつ、兄の住む外国に飛び、自称「神様」まで現れて、夢と現実の境界はあいまいに消えさり・・・。

 タイトルの電波猿はインドネシアのデンパサールのもじり、かつてオランダに攻められた王国が“ププタン”を果たした場所、らしい。

 いわゆる不条理劇のようでいて、じっくり読み返せば一貫した解釈ができそうなメッセージ性も垣間見えた気がしましたが、濃密な空気感に飲み込まれてしまいました。あれは何だったんだろう?

2008/12/20-19:00
桃園会「電波猿の夜 A night of Denpasar」
ウイングフィールド/前売券3000円
作・演出:深津篤史
出演:紀伊川淳/はたもとようこ/亀岡寿行/長谷川一馬/川井直美/よこえとも子/森川万里/橋本健司/岡本大輝/阪田愛子/寺本多得子/渡辺香奈子/林いくみ
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2008年12月13日

PM/飛ぶ教室+Z systemプロデュース「ながれまち」

遠いとこ、
行けるだけ
遠いとこまでって
思てた。

けど、町は流れる。
町は、ひとごと流れる
それわかったんは、
19の時やった
(チラシより)

 間もなく死を迎えようとする老人が病室にいる。舞台は待合室。集まった親族たちが思い出を語り、隠していたことを語る。そこに老人の人生が浮かび上がる。

 設定はまあ、ありがちと言えばありがちなもの。この老人は恋多き人だったらしく、集まった子供たちも母親が違っているし、さらに他にも子供を作った女性がいることがわかり、さらに一部の親族は老人からそれを聞かされて知っていたり、会ったことがあったり‥‥。

 次から次へと「衝撃の事実」が出てくる出てくる。その結果、あまりにも家族関係が複雑なので、誰と誰がどういう関係なのか把握しきれなくなっていく。最初のうちはシリアスな雰囲気だったのだが、途中からだんだん「これはコメディなのか?」と思い始めました。

 せっかく役者も装置もすごく立派で質感が高い舞台が構築されていたのに、脚本がダラダラすぎます。衝撃の事実はひとつかふたつ、ここ一番で語られれば充分でしょう。正直うんざりしました。

2008/12/13-19:00
PM/飛ぶ教室Z system プロデュース「ながれまち」
精華小劇場/当日券3300円
作:蟷螂襲
演出:中川浩三
出演:福井玲子/山藤貴子/白井哲也/玄名龍/加順遥/橋本太輔/村中海/平手嶺佑/本園理絵/矢田亮太/宮脇舞/久保田浩/中道裕子/石田智世/赤星マサノリ/中川浩三/蟷螂襲
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2008年12月06日

三角フラスコ「NO fear」

もう恐れるものなんて、ない。
複雑化した日常を生き抜くための物語。
(チラシより)

 さびれたボーリング場に隣接した食堂の二階。そこに住み着いている青年と、なにやら企んでいる数人の男女。前向きだけど空回りしてしまう人、才能があるのに踏み出せない人、家庭から逃げ出してしまった人や計画通りにならず焦る人。

 つまり、上手に世渡りしてそこそこ成功するような行き方ができない面々がかれています。それに加えて、完全な田舎でもないが大都会とも言い難いさびれた街の雰囲気と、そこでずっと暮らしている人々の閉塞感がじわじわと伝わってきました。

 チラシにもパンフにも粗筋やテーマが書かれていない上、芝居が始まってからも背景や人間関係をあえて説明するような表現はなく、極めてゆっくりと状況が判ってくるという構成。漫然とは観られない芝居です。

 舞台上に構成された雑然とした部屋の様子がいかにもな感じで、もう少し舞台が狭ければ完璧でした。ただ、音響や照明による効果はちょっと奇妙な感じのする点が散見され、それによって観客に何かを伝えようとしているのか否か、首を傾げてしまいました。

2008/12/06-19:30
三角フラスコ「NO fear」
精華小劇場/前売券2300円
作・演出:生田恵
出演:菅原みちや/瀧原弘子/真田鰯/寺田美夏/河本久和/時武裕子
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