2007年06月30日

劇団太陽族「越境する蝸牛」

 人と人との間に境界線が引かれる。勝ち組負け組などと煽るマスコミによって、或いは収入の高低を自己の評価軸と考える人びとによって。今に始まったことではないにしろ、その境界線は、以前にも増して一直線に、徒競走のゴールラインのような鮮やかさで、緩やかに進もうとする者を阻む。
 民主化以前の中国で「ウサギとカメ」の寓話を子供たちにしたところ、「どうしてカメは、眠ってしまったウサギを起こしてやらなかったのか」という声が大多数を占めたらしい。嘘か誠か、真偽のほどはわからない。あの寓話はウサギとカメをひとつのフレームに収めて語るわけであるが、その遥か後方にカタツムリが這っていたとすればどうだろうか。現代の語り部たちはすっかりカタツムリのことなど忘れてしまった。長距離走の最終走者をじっくり寄り添うような視線を持ちたいのだ。「越境する蝸牛」の所以である。
(チラシより)

 舞台は20年後の日本にある韓国料理店。自衛軍が朝鮮半島に派兵される中で開店休業を余儀なくされている。家族は在日コリアンの店主と、日本人の先妻との子供である長男、在日の後妻との子である長女、そして店主の父親。

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2007年06月23日

演劇ユニット第八空中都市「Chaos Red Beat」

 正確なタイトルは「Chaos Red Beat −混沌の内より出でしあかき鼓動は命を叫ぶ−」。伝説の剣“Chaos Red Beat”を巡って人間と邪悪な化け物が争う世界。歌声で人を両者を操る女と彼女の配下が支配をもくろむが、剣の化身が現れて・・・

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2007年06月17日

桃園会「a tide of classics」

 ウイングフィールド15周年「時代を拓く演劇人」企画に参加し、岸田國士の戯曲四作を三作ずつ上演する。作品は「紙風船」「驟雨」「留守」「可児君の面会日」で、私が観劇した回は「留守」を除く三作が演じられた。

 岸田國士の名前は戯曲賞のタイトルとしてしか知らなかったので、彼がどんな作品を書いたのかも当然知りませんでした。作品の背景は明治後半から昭和初期にかけてでしょうか。まだ息苦しい情勢にはなっていない、穏やかな古き良き時代の印象です。

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2007年06月09日

劇団犯罪友の会「私はライト」

この国の憲法が変わるようです。
時代にそぐわないという理由で・・・
では、今はどんな時代だというのでしょうか?
(中略)
この戦後六十年は何だったのかという思いでこの作品を創りました。
「平和憲法」が誇らしく思えた昭和の時代、
そんな頃の下町の公設市場で生きる名もなき人々の物語です。
恨まれず、憎まれず、悲しませず
ただひたすら暮らしの日々に追われる中でのロマンスの花。
たとえ全てにそぐわなくても
何となく暮らしていけた時代の物語です。
(チラシより抜粋)

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