2005年01月23日

劇団シアタージャパン「サロメ」

 大正時代の日本にアメリカからミュージカルを持ち込んだ女優、高木徳子の半生をミュージカルで描く。まだ女性が舞台に立つことが一般的でなかった時代、奇術師だった夫と共に渡米した先でダンスとであった徳子は、イギリスを経て日本でも成功を収める。しかし前代未聞と言われた“妻からの離婚訴訟”や演出家との恋などスキャンダルに満ちた彼女の人生は、ライバルであると同時に同志でもあった川上貞奴や松井須磨子などと同様、時代と運命の犠牲者となっていく。

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posted by #10 at 22:59| Comment(1) | TrackBack(0) | 東京観劇1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月17日

試験管ベビー「Baby Canival」

試験管ベビー
「Baby Canical」
スタジオ・座・ウィークエンド
05/01/15-16
作・演出:かこまさつぐ
出演:かこまさつぐ/五坊良美/浅井拡敬/加藤奈々/樋口友幸/前田恵子/千賀好通/則竹洋一郎/吉森治


 「(株)シケンカン商事の人々」「試験管日和」「試験管ベビーのスカイダイビング」の3本立て。前二者が1時間で後者が30分の総入れ替え制で、チケットの買い方がややわかりにくかった。作品自体は悪くないが、システムはもうちょっと洗練の余地があるだろう。

 「試験管ベビーのスカイダイビング」は昨年のE−1グランプリ出品作で、名古屋でトップ、全国大会で2位になっている。スカイダイビングの飛行機の中で交わされる、とにかくくだらない会話の応酬。3作の中で、一番いつもの試験管ベビーらしかったと思う。たっぷり笑えた。

 「(株)シケンカン商事の人々」は、何をやっているのか良く分からない会社を舞台にしたお話。まるで仕事していない先輩達の姿はナンセンスギャグの一種かと思いきや、ラスト近くでしっかり理由付けがされる。ただ、別に理由付けがなくても構わなかったのではないか。

 「試験管日和」はショートコント集。笑えるものもあったが、終わり方が締まりのない場合が多く、やや不満を感じた。

 全体として、作品のスタイルを今後どうしていくか試行錯誤している印象を受けた。もともとストーリー性のある芝居よりもコントと言うべき舞台を作ってきた劇団なので、悩むところも多いのだろう。ただ私は従来の試験管ベビーのスタイルが好きだし、それを望む観客はたくさんいると思う。外野からの無責任な発言ではあるが、これまで培ってきたスタイルを生かして発展してもらいたいと思う。
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2005年01月16日

爆烈K・A劇団「二月のディナー」

爆烈K・A劇団
「二月のディナー」
ひまわりホール
05/01/14-16
作:平石耕一
演出:平塚直隆
出演:中尾達也/金良華/ジル豆田/斎藤ちひろ/美月ノン/下郷鍵


 途中に10分間の休憩をはさんで40分の芝居を二本。こういうペースも悪くないと思う。
 第一話。三人の元エレベーターガールが友人の結婚を祝うため、その友人の弟が経営するレストランに集まる。彼女達は昔話と共に弟から姉の言葉を引き出していくが、お互いの秘密と確執が次第に浮き彫りになっていく。
 第二話。イギリスの田舎町で日本人女性が経営するレストランに、新婚旅行中の日本人カップルが訪れる。喜んで地元の見所を教えたりしてもてなすが、カップルの仲はぎくしゃくしている。やがて二人は喧嘩をはじめてしまう。

 爆烈K・A劇団の作品を観たのは初めてだが、劇団名から想像していたような賑やかな舞台ではなく、セリフが中心の静かな芝居だった。しみじみした作風も悪くはないが、いまいち物足りなかった。本編より、休憩時間に中尾達也ともう一人(誰?)がおこなったコントみたいなものの方が面白かった気がする。

 セリフ中心の作品は、一層の演技力が求められると思う。下手な役者だととかく過剰な演技になる。今回の役者は決して下手ではないと思うが、やや自然さに欠ける印象を受けた。
posted by #10 at 23:38| Comment(1) | TrackBack(1) | 名古屋観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

うるとら2B団「プロテクト・ミラージュ」

 薬害エイズ問題の主犯格の裁判が行われることになった。関係者の名を明かすことで司法取引による減刑を受けることになった被告は、裁判までとある倉庫に保護されることになる。彼を護衛するのは、それぞれ過去を持つ5人の非公式チーム。裁判所へ移送する日の夜明け前、暗殺者が忍び込む。

(以下ネタバレあり)
続きを読む:スタッフリスト
posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月09日

オフィス・たま「売り言葉」

 高村光太郎の妻、智恵子の生涯を一人芝居で描く。明治の世に福島の裕福な家で育ち、地元の女学校を経て東京の女子大学で学ぶ「新しい女性」として歩む智恵子。やがて光太郎と出会い家庭を築くが、実家の没落を契機に少しずつ精神を壊していく。

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posted by #10 at 04:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月02日

「東京の小演劇スケジュール」開始しました。

 あけましておめでとうございます。

 愛知から神奈川に引っ越して3ヵ月半。いくつかの芝居を観つつ新しいサイトを密かに作っていましたが、年があけたので正式に公開します。

 東京の小演劇スケジュール

 サブタイトルにあるように、5千円未満7日以内の公演に限定して公演情報を掲載しています。宣伝や広告ではなく情報を伝えるサイトとして、依頼の有無と無関係に自力収集で掲載していきます。こういうサイトは継続できるかどうかが問題ですが、約2ヵ月のテスト運用の結果、継続可能と判断しました。

 副コンテンツとして観劇ウェブログのリストも作りました。東京エリアで観劇する方はどうぞご活用していただければ幸いです。
posted by #10 at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「名古屋の小演劇スケジュール」終了しました。

 2年間にわたって名古屋の小劇場演劇の公演情報を伝えてきましたが、予告どおり2004年末をもって終了しました。この間、多くの方に支えていただいたことを深く感謝します。

 今後の公演情報については、アキさんが作成している「中部地区の観劇情報サイト Rush!」をご活用ください。

 そして私#10は、主に東京地区の小劇場を見るようになりました。そちらの観劇記録は別サイト「#10の観劇インプレッション」で報告していますので、興味ある方はそちらを参照ください。さらに東京地区の小劇場演劇については新しい情報サイト「東京の小演劇スケジュール」を開始しました。東京へ足を運ぶ機会のある方はどうぞご利用ください。
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カルマツイ「恋愛耐湿」

カルマツイ
「恋愛耐湿」
G/pit
04/12/29-05/1/2
作・演出:刈馬カオス
出演:松井真人/鹿目由紀/加藤裕子


 男のアパートのバスルーム。下着を脱いでバスタブに横たわる女と、傍らに立つ男。そこへもう一人の女が訪れる。何これ、どういうこと?‥‥そして始まる泥沼の愛憎劇。二人の女は先輩後輩。浮気がばれて慌てる男の言動は女の確執に包まれながら理解できないほどに崩れていく。まともなのは誰か。立ち去るべきは誰か。

 45分が2時間以上に感じるほど息苦しく、ずっと手に汗を握りつづけていた。全身に力が入っていたため、観劇後はひどい肩こりに襲われた。心地よい観後感を得たければ刈馬作品を観てはいけない。この作品はそんな説を強く裏付けるものだろう。救いの無いディープな空気に浸りたい人にこそ最適だ。

 狭い舞台に数少ない客席で、観る者としても逃げ場がない。逃げ場があれば逃げていたかもしれない。一生に2回くらいはこんな泥沼を経験してみたいものだが、実際その場に立てば死ぬほど嫌だろう。自分は男なので男の立場に我が身を重ねて見たくなるが、ここまで狼狽する見苦しい人物に感情移入もできない。痛々しいまでに愚かな男に同情の余地もなく、狂気じみた言動に恐怖すら感じた。かと言って女二人が正常かと言えばそうでもない。ラストのセリフが最後に残された救いの道すら砕いて暗転する。

 松井真人はハートフルコメディを得意とする劇団あおきりみかんの看板俳優。彼がこういう役を演じるのは初めて見たが、役者としての力量を再確認させられた。正直、始まってしばらくはこの男優が松井真人だと信じられなかったほどだ。鹿目由紀はその作・演出を務める主催者で、役者として見るのは初めて。しかしこういう芝居ができるのなら、もっと舞台に立って欲しいと思う。加藤裕子は所属するB級遊撃隊とは別の舞台で見たことがあり、その時はさほど注目しなかったのだが、今回の舞台で見直した。

 とにかく濃いことこの上ない作品だった。ぐったり疲れて帰途に着きながら味わう気分は、マゾヒスティックな快感なのかもしれない。
posted by #10 at 23:19| Comment(0) | TrackBack(1) | 名古屋観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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