2004年10月30日

劇団離風霊船「お母さんの選択」

 息子はひきこもり、娘はプチ整形。食事の時間もそれぞれ好きなことに没頭し、誰もお母さんの話を聞いていない‥‥。そんな家庭に突然、黒い帽子に黒いレインコートを来た男がやってくる。彼はメリーポピンズを名乗り、お母さんは彼を家に置くという。

 並行して進む羅生門の世界では恋人とともに兄を殺そうとする弟のそばにメリーポピンズがいる。二つの世界はやがて交錯していく。

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2004年10月23日

メタリック農家「鳩 pigeon」☆

 あまり繁盛していない結婚式場でシェフとして働く千鶴は、同僚の鷹岡と結婚する予定だったが、困った問題があった。彼女の母親は華道の家元で、それを継ぐのを拒んで家を出ていたのだ。結婚の了解を得るため実家に戻るが、なかなか許してもらえない。
 しかし実は鷹岡の方にこそ、重大な問題があった‥‥。

(以下ネタバレあり)
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2004年10月19日

双身機関「それは私の名前じゃない」

双身機関
「それは私の名前じゃない」
橦木倶楽部
04/10/01-02
作:双身機関
演出;中村公彦
出演:みすず、佐伯智佳子、山本健太、杉本雅彦、山田マネナ、獅子見琵琶、奥谷なほみ、小川泉、藤城悠香、古屋彰久、中村真貴子、岡田菜穂子、岡嶋正恵、作野綾、作野謡、梅村貴志、楓子


ギリギリの演出だったと思う。決して奇をてらう訳ではなく演出によってそうなったという印象ではあるが。要は客席を舞台にしたというよりも舞台の中に客席を用意した感じ。
芝居を観にきたというより芝居を覗きにきた感覚にされてしまった。
でもギリギリだった、ついつい巻き込まれ参加しそうになった、芝居を壊してしまえる位置に客席があるというのは緊張感を通り越してストレスが溜まる。安全な場所からみせてくれないので臨場感や興奮と怖さが同居している。どうも芝居を観るという行為を特殊なことにされてしまった気もするが、実はこちらが正しいのかもしれない。
セリフは必要最低限、照明、音響にも無駄がない。それでも十分に考えさせるし伝わるのは表情や動きといった身体表現のすばらしさだろう。
正直あっという間に終わってしまった。もっと観てみたいと思わせるに充分な内容だった。

(しおこんぶ)
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劇団ジャブジャブサーキット「しずかなごはん」

劇団ジャブジャブサーキット
「しずかなごはん」
七ツ寺共同スタジオ
04/09/28-04/10/03
作・演出:はせひろいち
出演:小山広明、村松綾、荘加真美、永見一美、小関道代、岩木淳子、高木美千代、岡浩之、中杉真弓、栗木己義、江川由紀


なにやら建物の内部が複雑な心療内科クリニック、ある日ここに摂食障害で入院している患者の弟や元患者で自殺してしまったモデルのHPの管理人、元ルポライターなどが訪れる。また、分室長は懸賞金を目当てに通院患者である女子高生と共同執筆で戯曲を作成しているのだが、患者の書くストーリーがどうにも示唆的に感じた。。。そんな時、彼女が摂食障害になった原因は私だと同級生が尋ねてくる。

なかなか衝撃的なテーマで見応えがあった。摂食障害という病を個人のレベルだけでなく社会の問題として捉え、誰が悪いのかというアプローチではなく、どうすれば良くなるのかという問題提起の仕方で真摯な描写が非常によかった。深刻になりすぎないように上手くバランスがとれており面白おかしく、かつ、真面目に考えさせる。

摂食障害についてはあまり知らないが過食症や拒食症の総称といった感じ。イメージとして女性に多い(ダイエットなどが原因で発症することが多いため)が男性でも起こり得る。
ダイエットで発症するタイプはあまり嘔吐はしないそうだが、過食嘔吐タイプはさまざまな原因(ストレスなど)で発症する。

この演劇を観て摂食障害は戦争と似ているなと感じた、現在の戦争の原因はなんだろう?
他人(他国)への恐怖が摂食障害(戦争)へとはしらせる原因なのかもしれない。
いずれにせよ、どうすれば戦争がなくなるのかを人類は考える時期にきているような気がする。原因を無くすという方法は間違いではないが実現は極めて困難だ、摂食障害の場合はストレスが原因といわれている以上、全てのストレスを無くそうとしても無理だろう。
肩の力をく必要がありそうだ。
どうも出発点には恐怖があるような気がする、他人からどうみられているのか気になり(恐怖)、無理なダイエットをしたり(自分への攻撃)、ゆえに現実にこれらの症状から脱した方たちはすごいと思う。それだけすさまじい症状であるからだ、なにせ衣食住の内、食のコントロールが効かないということだ、場合によっては死につながるだろう。
患うということは何かに依存するということか。

ジャブジャブサーキットは文化劇場でも十分公演できると思うが、この公演は七ツ寺共同スタジオの雰囲気が最も合う、会場選びも重要な演出だと思う。

(しおこんぶ)
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メガトンロマンチッカー「カロカリ−8月の蝉時雨と、見事なまでの貞操観念−」

メガトンロマンチッカー
「カロカリ−8月の蝉時雨と、見事なまでの貞操観念−」
千種文化小劇場
04/9/24-26
作・演出:刈馬カオス
出演:浦麗、花村広大、西尾知里、来々舞子、岸良端女、大久保明恵、渡辺真輔


パキスタンの悪しき風習「カロカリ」不貞行為の疑いのある者を殺しても、復讐と制裁のもと罪に問われることはない。
8月の最後の日、美術家ユニットは廃工場を利用したアトリエを持つ。その改装中、それは見つかった−拳銃と実弾7発。
貞操観念と、おびただしい嘘の果てに残ったものは一体。

張り詰めた緊張感はとても感じられたが、キャストが揃った時に三竦み、四竦みになってこない感じがしたのは残念。そういった意味では冒頭のシーンはよくで来ていた。

ピストルを中心に不可思議な緊張感とリアルな現実逃避へと引き込まれていくのだが、ある人物Aとある人物Bの間で緊張感を作り出してそこに第三者である人物Cが加わることで変化が起こるかと思えばあまり起こらない。つまり劇的ではないのだ(ピストルがあるという点では劇的ではあるが)いわゆるリアルさという意味では正しいのだろうが、なんとも化学反応しきれていないようなもどかしさを感じた。いわゆるアンサンブルがあまり感じられなかった。今時の若者らしいといえばそれまでだが、社会への接点を何とか見出そうとするのだが、第三者(あまり知らない人)にはクールというより無関心な印象、不器用さを感じた。この辺りは芸術家というのが布石になっているのかもしれない。

個人的には、アトリエ所有者の夫婦二人の緊張感が一番よかった。これは夫婦ということで社会との接点をすでに持っている夫と問題を抱える妻という関係だからこそという気がした。日本の貞操観念というか女性へのプレッシャーも描かれている所は鋭い。
一般的な考え=正しい考えとはいえないといったところか。

脚本面では、ピストルの件を警察に届け出たかどうかを疑うより誰かが隠し持ってないかを疑う方が自然で緊張感を保てた気がする。大体警察に届け出たら事情徴収くらいはされるのでは?流れが不自然に感じた。

浦麗さんの「これからもセックスしてくれる?」ってセリフが卑屈さではなくズルさ、したたかさがでてたのが印象的でとても良かった。
隆平役はもっと飄々とした感じで演じても面白そう。花村さんがやるとやっぱカッコ良すぎる(笑)。花村さんしかできない隆平役になっていた。

(しおこんぶ)
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劇団うりんこ「弟の戦争 −GULF−」

劇団うりんこ公演
「弟の戦争 −GULF−」
アートピアホール
04/9/24
作:ロバート・ウェストール、訳:原田勝
脚本・演出:鐘下辰男
出演:佃典彦、西尾栄儀、青山千代佳、長田光世、長谷川真由、和田紀彦、三雲一三、平山真由美、高田博臣、松田大


父は建設業。スポーツマンで地元のラグビー・チームのキャプテンだった。母は市会議員で、人の世話をすることが好きなみんなの母とも言うべき人だった。人より寂しがりやだったトムは「フィギス」という空想上の友達を考えだしてどこえへ行くのも一緒のつもりだった。3歳の時、弟のアンディが生まれた。トムはアンディをフィギスと呼んで遊ぶようになった。フィギスには憑依ともいうべき不思議な能力をもっていた。フィギスの身体はこちら側にありながら、心はイラクにあった。少年兵の魂が入り込んだフィギスが病院の一室で戦争のまっただ中のイラクの生活を再現してみせる。。。

市会議員の夫が体育会系で家事の手伝いをあまりしてなさそうで理不尽な印象。どうにも釣り合わない。結局遠くにある戦争を弄んでしまった印象になってしまったようで残念。戦争の悲惨さ、愚かさ、虚しさ、怖さ、これらがあまり舞台上にでてきておらず、この芝居を観てもやっぱり戦争は遠い話だなと感じただけになってしまわないか心配になった。唯一フィギスの友人たちが死んでしまったシーンだけは良かったように思うが、全体として不満が残る。
舞台装置などはとても凝っていたし迫力もあった。役者さんではラシード先生役の三雲さんは精神科の先生役みたいな役ばかりやってきたのでは?と思わせるほどで、かえって現実味をそいでしまった。板につきすぎるというのも考えもので
ある。

(しおこんぶ)
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劇団トーフ「チェンジ」

劇団トーフ
「チェンジ」
スタジオ座ウィークエンド
04/9/18-19
作:ビーン高野
演出:山本裕子
出演:近藤隆、中島三幸、高柳翼、濱田あゆみ


父、母、姉、弟の4人家族。ちょっとしたきっかけで家族の立場をチェンジすることに。。。

面白かった、テンポ、間、そして適格なツッコミ。特にリサ役の濱田さんは絶妙だった。内容は激しくわかりやすい(笑)が。ものすんごく普段着な演技というかアドリブが大分はいっていたんじゃないかと思うほど自然、ホントの家族みたい。役者がセリフを喋っているという感じがしない、つまり役者が役を自分のもの
にしている。
次回公演が楽しみ。こういう劇団があるから観劇はやめられない。

(しおこんぶ)
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劇団シアターガッツ「メガトンチェリーボム」

劇団シアターガッツ
「メガトンチェリーボム」
愛知芸術劇場小ホール
04/9/2-5
作・演出:品川浩幸
出演:大岩篤史、山崎淑子、藤元英樹、広瀬愛子、小島敬子、寺西栄美、欅智昭、脇山烈、中川弘樹、永井裕子、家道希、川浦君英


娘が彼氏を連れてやってきた。喜ぶ母と押し黙る父、そして緊張する彼氏。実は娘のお腹には二人の愛の結晶が宿っていた。半ば強引に同居生活を始める二人、冷ややかに見つめる弟。ある日弟が見たアダルトビデオには姉と彼氏が出演していた。。。

シアターガッツの公演はホントに安心して観ていられる。今回もとっても楽しい公演だったが、公演中に地震が起こるというハプニングはあったのは不運としかいいようがない。予想外又は予定外のことが起こった場合、全く無かったこととして流してしまうか、アドリブとして受け入れてしまうという2択に迫られる。今回は進行上シリアスな場面であったためにアドリブとして受け入れるにはキツイ状態だった。そんな中、寺西さんは淡々と演技を続け、大岩さんは戸惑っていたがあれだけ揺れれば(しかも長い)大岩さんの反応はやむを得ないもの。演技を続けた寺西さんが立派だった。

序盤ベットの上で服を脱ぐ大岩さんが色気たっぷりでカッコよかった。客演の広瀬さんは演技の端々にホチキスっぽさというかキャラの濃さがあって、客演しても所属劇団の色を失わない。広瀬さんだけがそうなのか、ホチキスという劇団に所属する役者が皆そうなのかは判らないが、まるで大阪弁みたい(地方にいっても変わらないという意)で笑えた。

(しおこんぶ)
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2004年10月03日

ミラクルスペース「魔女がいっぱい」

ミラクルスペース
「魔女がいっぱい」
うりんこ劇場
04/8/28
作:Gみか
演出:イクラ タラコ
出演:Gみか、松山由起子、本田竜生、小嶋隆之、二宮信也、Kaori、牧泰弘、松尾一代、川口未話、成田大介、鈴木ゆうこ、関戸哲也


町外れ住む魔女の家に、二人の少年が迷い込んだ。魔女の家ではガラクタが一杯だったが魔女にとってはとても大切なものだという。少年の一人ゲンは最近母親から「もうじきお兄さんになるんだから」と怒られてばかり。ある日ゲンは家を飛び出して魔女の家に転がり込むが。。。

ややメルヘンな感じで子供向けな気はするが面白かった。
出演者一人一人に見せ場がしっかりあるあたりはさすがといった感じ。
子供の視点と大人の視点を上手く描かれていた。特に兄や姉になる子供の心境はよく描かれていて面白かった。兄、姉でしか味わう事ができない期待と不安が入り混じった特殊な感情は十分に伝わってきた。(ちなみに私は末っ子)役者さんでは、客演の関戸さんがあまりにも濃ゆい役すぎて(面白かったんですがね)バランスが悪かった。松山さんと松尾さんのお二人はホントの子供みたい。
あんな天然の子役は初めて観た、ヘタな子役よりずっといいです、恐るべし。
ちなみにゴロウの一家は、一人一人はものすごく無理があると感じたが、一家全員がそろうとこんな家庭があってもいいかも(あるかも)と思わせるあたりは面白かった。

(しおこんぶ)
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ホチキス「おやじとビーズと弾丸と」

ホチキス
「おやじとビーズと弾丸と」
東文化小劇場
04/8/21-22
作・演出:米山和仁
出演:橋本哲臣、村上直子、加藤敦、齋藤美和子、小玉久仁子、船戸健太郎、広瀬愛子、細野今日子、米山和仁、宮本実和、山崎雅志、中川智咲子、山本洋輔、他


携帯で小説を連載する女子高生、佐倉魔美、スマッシュヒット作家である彼女には、ある特別な能力が備わっていた。旅館の女将を目指し、温泉を掘り続ける母と、日々創作料理に明け暮れる父を巻き込みつつ、今日も彼女の試練は続く。そんなとき、佐倉家に「3億円強奪事件」を捜査しているという男が現れる。。。

 とにかく面白かった。スピード感があって、それでいてストーリーが崩れてないのはセリフの量などや各キャラクターの全体的なバランスが絶妙なのだと思う。
 家族について各登場人物がおのおのの視点でしっかり描かれているので一見ばらばらなストーリーが自然に収束されていく。
 
 自分の過去を知らないことを悩んでいる父親がでてくるが、普通、大人は自分の過去の行いを棚に上げて子供に理想を押し付けようとするものだ。でも子供にとっては親の過去なんてどうだって良くて、今この時が大事。こういう世代間のズレをストレートにそしてコミカルに描いている。きっと家族で観ても楽しいし、いろいろな世代でそれそれ感じるものがあると思う。

劇中、歌やダンスがあったがちゃんと表情もあり観ているだけでも楽しくなってくる。
折角ダンスを入れたのに役者が必死で全然楽しそうじゃないとこもあるだけに是非見習って欲しいものである。(もちろんダンス=楽しいって訳じゃないけど)

(しおこんぶ)
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ATOMIC☆GOOSE「サークル・ジョーク」

ATOMIC☆GOOSE
「サークル・ジョーク」
千種文化小劇場
04/08/20-22
作・演出:西田正也
出演:下郷鍵/荒井公介/松ヶ崎亜彩美/瀬戸川夕輝/小野由加里/市谷もめん/川本貴浩


小さなサーカス小屋にテレビ局が取材にきた。しかし連絡ミスで取材を受けるべき主力メンバーがいない。とりあえず今いるメンバーでごまかしながら取材を受けることに。
一方、テレビ局のディレクターはライバルが他局で大手サーカス団の取材をしていることを知り、対抗意識から過剰な演出を行おうとするのだが。。。

ディレクター役の市谷もめんさんの意地を張って素直になれない演技は良かった。
アットホームな雰囲気と下郷さんのコミカルな動きは相変わらず面白い。荒井さんは八嶋智人のような切れのある演技は良かった。
んが、登場人物のキャラクターの掘り下げが不十分な印象。例えば最初のシーンで四方に礼をして小屋を去るという律儀な性格を描写しておいて、退団するためのちゃんとした手続きを執っていないなど、どうもキャラクターに一貫性がない部分があると気になる。

(しおこんぶ)
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燐光群「ときはなたれて」

 冤罪により死刑判決を受け、何年も収監された後に無罪が明らかになって釈放された人々が、自分の身に起きた出来事を語る。演劇というより朗読劇。重い内容で、犯罪捜査や司法制度、死刑のあり方について考えさせられる。

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