2004年05月31日

シアターガッツ「大月山ジャンボリー」

シアターガッツ
「大月山ジャンボリー」
愛知県芸術劇場小ホール
04/05/27-30
作・演出:品川浩幸
出演:ナカニシ・トシカツ/寺西栄美/藤元英樹/坂口潤/脇山烈/小島敬子/大岩篤史/中川弘樹/欅智昭/山崎淑子/道家希/永井裕子/川浦君英/スターマン/yamato


 ストリートミュージシャンが集う駅前広場で、今日も個性的な彼らが個性的に歌う。だがその広場が再開発事業によってなくなることに。ずっと昔から歌いつづけているハチローは、かつて挫折した大月山ジャンボリーを今こそ実現すべく行動を起こす。

 いつもエンターテイメント色満載のシアターガッツだが、今回は特に客席を巻き込んでの大合唱。こういうのは好き。普通の芝居を観に来た客だと戸惑うかもしれないが、ガッツの客なら大半が進んで歌いたいと思うだろう。

 ただ、観客と一緒に歌うのならもっとメロディや歌詞を工夫してほしかった。テーマ曲は音程が微妙すぎる上に歌詞が複雑で、すぐには頭に入らない。もっと単純で明確なメロディーにして、歌詞もサビをくり返す方がいい。「薔薇はあこがれ」とか「青春」みたいな(←わかる人いるかなあ、品川さんなら世代的にわかると思うけど)。

 とか言いつつサントラCDは買いました。CD-Rの青いディスクではなく本格的なプレス版のCD。この辺のグッズにかけるガッツの意気込みには感心します。
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劇団ジャブジャブサーキット「動物ダウトver.04」

劇団ジャブジャブサーキット
「動物ダウトver.04」
港文化小劇場
04/05/27-29
作・演出:はせひろいち
出演:かとう雅敏/咲田とばこ/荘加真美/高木美千代/千頭麻衣/栗木己義/小山広明/岩木淳子/中杉真弓/土居辰男/永見一美/岡浩之


 さびれた元動物園が政府機関から秘密の依頼を受けた。それは研究過程で生まれてしまった危険な生物を、しばらく預かってほしいというものだった。しかしその生物を狙う何者かが刺客を差し向け、事件が起こる。犯人は誰?

 技術的には決して悪くないと思う。演技も演出も充分な出来だ。けれど心に響いてこなかった。物語も、解ったような解らないような消化不良の印象。原因はよくわからないが、様々なテーマが互いにあまり絡まず並立して焦点が定まっていないからではないかと思う。
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2004年05月23日

Moon Light Theater「風の志士」

Moon Light Theater
「風の志士」
ひまわりホール
04/05/22-23
作:柊アキラ
演出:野畑幸治
出演:矢野せい子/黒部聡/安藤元保/細江洋志/古井慎也/山本綾佳/小山愛/しなこ/鈴木梨花/杉浦紀行/斎藤明広/じゅん/柊アキラ/石田和也/野畑幸治


 時代が動く、幕末の世。口のきけない娘を育てる元女郎のお蘭と、彼女の働く居酒屋の常連達。ひょんなことから坂本竜馬と縁を持った名も無き彼らが、新撰組に捕らわれた竜馬を助けるべく一計を案じ、命を賭けることになる。

 必ずしも新撰組と坂本竜馬である必要はない物語だが、歴史上の有名人は背景説明が不要というメリットはある。ならばその分、松や仙十の経歴をもっと詳しく描いても良かったのではないか。また、人間関係を複雑に絡めるのは物語構成上重要だが、小梅の一目惚れ相手が沖田というのはちょっとご都合主義が過ぎる気がする。

 松役の黒部聡と、坂本竜馬役の杉浦紀行の演技が良かった。
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総合劇集団俳優館「あの大鴉、さえも」

総合劇集団俳優館
「あの大鴉、さえも」
俳優館アトリエ
04/05/14-16,21-23
作:竹内銃一郎
演出:右来左往
出演:稲吉直人/光永聖/森川倫行


 山田さんの家まで大きなガラスを届ける3人の作業員。しかし肝心の山田さんの家が見つからない。あったのは三条さんの家。山田さんの家はどこ? 三条さんとは?

 登場人物は三人のみ、シンプルな舞台装置。不条理な展開。どうも私はこういうのが好みらしい。大きなガラスの存在を示すパントマイムは、完璧ではないが充分な出来。後半、門に向かって延々と投げ掛けるセリフの嵐は見事だった。

 聞くところによると古典的な戯曲らしいが、単純な話だけに役者や演出の技量が問われる作品だと思う。
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2004年05月22日

伊沢勉の会「海が見たい」

伊沢勉の会
「海が見たい」
愛知県芸術劇場小ホール
04/05/20-23
作:伊沢勉
演出:竹下喜六
出演:石河美幸/小林正和/木村庄之助/田辺文美/長縄都至子/ジル豆田/栗林栗子/鬼頭卓巳/黒田裕之/中田裕子/エレガント浜田/金良華/スズキナコ/伊沢勉/国井美佐/小島志帆/横山一明/黒田奏


 入院患者や医者や看護婦が行き交う、ある病院の庭。妻にまかせた店が心配なラーメン屋店主、入院を長引かせようとする男、金を無心する男、女子高生の娘が心配な男、不倫する看護婦‥‥。それぞれに多々問題を抱えながら懸命に生きている姿を描く。

 伊沢勉の作品を観たのは初めて。現実から離れすぎない範囲で構成されたドラマなので違和感は少ないものの、相互に無関係な多数のテーマを盛り込み過ぎと感じた。その結果、登場人物が多すぎて焦点がぼけ、感情移入しづらかった。個々の役者はいかにも演技派な雰囲気を示しているのだが、結局何を見れば良いのかわからないままだった。
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2004年05月18日

劇団帰空管「DIE’S」

劇団帰空管
「DIE’S」
北文化小劇場
04/05/14-16
作・演出:瀬口かしす
出演:夏風雅/鎌田真紀/花丸幸太/草野.com/高野亮/六条幸丸/井通302/ありさ/葉月充/花村広大/佐東えり/山口鉄也/瀬口かしす


 ギャンブラーの一門・源氏と、ペテン師の一門・平家。両者が激しく覇権を争う時代。平家のイカサマに敗れて奴隷に身を落とした牛若丸だったが、打倒平家の勅命の元、運命を切り拓く。

 7年にわたって活動してきた劇団帰空管の最終公演。その千秋楽を観た。集大成と呼ぶにふさわしい、舞台の面白さが濃縮されたような作品だった。北文化小劇場を埋める満員の観客が一体になって笑った。いつもの帰空管にみられたクライマックスの引っ張りすぎ感もなく、ほどよく2時間弱で終わった・・・と思ったら2時間半ほど経っていた。

 脂が乗って、むしろこれからとも思える劇団が解散するのはとても惜しい。ただ、ずっと瀬口氏が一人で作・演出を務めてきた劇団でもあり、そろそろ休養が必要ということだろう。いくらかの充電期間を経て復活してくれれば嬉しい。

 先日ある所で別の劇団の主宰の方と話をする機会があったが、“高い目標のある劇団ほど解散する”という趣旨のことを言われた。漫然と続けるだけなら続けられるが、志があればこそ限界も意識できるということか。

 各メンバーが、これからも随所で活躍されることを期待します。
 お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
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ヨーロッパ企画「ムーミン」

ヨーロッパ企画
「ムーミン」
愛知県芸術劇場小ホール
04/05/14-16
作・演出:上田誠
出演:石田剛太/酒井善史/諏訪雅/瀬戸中基良/中川晴樹/永野宗典/本多力


 森の中。居心地の良い場所を見つけた彼らはしばらくそこで暮らすことにした。美味しい食べ物はあるし、冒険するにも事欠かない。キャンプのようなサバイバルのような、スリルと平穏の入り混じった日常が続く。

 と、無理矢理あらすじをまとめたものの、あまり意味のある筋はない。劇団HPに書かれた解説によれば「暮らしぶりそのものがまぬけで面白い芝居がいいなと思って」とのことで、確かに大きなイベントはないが楽しげな暮らしが描かれていた。

 コント調のネタや登場人物の個性的なキャラなどを見ると、脚本はうまいと思う。森の舞台装置も力作だ。途中から少しずつ明らかになる意外な時代背景もスパイスとして効いている。ただ、ひとつの作品としての完成度という点では疑問を感じる。正直、空気が穏やか過ぎて途中で寝そうになった。
posted by #10 at 01:36| Comment(1) | TrackBack(0) | 名古屋観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年05月16日

劇団クセックACT「ドン・ペルリンプリンの恋」

劇団クセックACT
「ドン・ペルリンプリンの恋」
愛知県芸術劇場小ホール
04/04/30-05/04
原作:フェデリコ・ガルシア・ロルカ、バリェ・インクラン
脚色:田尻陽一
演出:神宮寺啓
出演:榊原忠美/可児良友/山田吉輝/水谷友子/平井智子/清水絵里子/喜多千秋/火田詮子


 50まで結婚しなかったドン・ベルリンプリンが、若い娘ベリサと結婚する。ベリサは決して貞淑ではないが、その心を掴むべくペルリンプリンは倒錯的に愛を注ぐ。 ‥‥でいいのかな? あらすじは。

  アングラというのか、こういう芝居を見た経験がほとんどないので評価しづらい。もっとメリハリがあると良いのだが、ずっとその調子なので途中で眠くなった。後ろの席にいた子供2人が観劇後、「つまんなかったー」「面白かった、意味わからなったけど」と言っていた。確かに。はまれば面白いのだろう。
posted by #10 at 23:32| Comment(1) | TrackBack(0) | 名古屋観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

芝居空間獏工房「朽発蝶」

−芝居空間−獏工房
「朽発蝶」
七ツ寺共同スタジオ
04/05/01-02
作・演出:足立盟
出演:西尾知里/今枝千恵子/小川麻美/佐東えり/清水やすひろ/山口鉄也/おおたけりな/西泉/南雲栄作/足立盟


 男が次々と謎の自殺をしていく。やがて人口バランスさえ狂いはじめ、一夫多妻も認められるようになる。その影にはある宗教団体の謀略があった。

 国を動かすほどの組織にしては不安定な印象で、話のスケールを大きくしすぎて説得力を失った気がする。風呂敷を広げすぎない方が良いのでは。個人的な好みとしては鏡子(今枝千恵子)と小鞠(西泉)のコンビが良かった。
posted by #10 at 23:22| Comment(1) | TrackBack(0) | 名古屋観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

そらかん「B面ヤクザ式」

そらかん
「B面ヤクザ式」
北文化小劇場
04/04/24-25
原作:阿修羅男爵
脚本・演出:柴田潤一郎
出演:名取有史/じゅん/大塚峰春/中林俊介/原口昭教/菊正宗/へば/HURRY YUKI/加藤智子/宮崎陽子/カブトコウジ/林美和/あきお


 抗争していた組と手打ちを果たして解散することに決めた、あるヤクザ。ところが相手の組長が何物かに殺され、自分達にその疑いがかかったことで事態は急転する。

 若手役者が多いが、迫力満点でヤクザの世界が表現されていた。責任の重さに苦悩する組長や幹部、突っ走ろうとするチンピラ。もちろん実際のヤクザを知らないのであくまでもイメージにすぎないものの、ドキドキさせられた。そしてラストシーンでは実に暖かい気持ちになれた。
posted by #10 at 23:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 名古屋観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『海辺の情景』上演プロジェクト「海辺の情景」

『海辺の情景』上演プロジェクト
「海辺の情景」
七ツ寺共同スタジオ
04/04/23-25
作:中村匡秀
演出:コヤマアキヒロ
出演:小熊ヒデジ/三浦周二朗/松田泰基/川瀬浩二/美月ノン/河野真理子/長江ヒロミ/小山広明/大竹章/川村晃一


 さびれた映画館にふらりと立ち寄った男が一人。突然、近未来から来たという奇妙な男女に取り囲まれる。彼らは、そこに映った海辺には特別な力があるという、不思議な映画を撮影した老人を探しているという。関わり合いになりたくなかった男だが、いつしか彼らのペースに巻き込まれていく。

 私が観に行ったのは平日にも関わらず、満席で立ち見まで出ていた。内容は幻想的だが、冷静に考えると陳腐な内容だ。演技や演出がまずければ退屈になってしまっただろう。役者の力量が高いと感じた。個人的な好みだが美月ノンさんが良い。
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うわの空・藤志郎一座「水の中のホームベース」

うわの空・藤志郎一座
「水の中のホームベース」
七ツ寺共同スタジオ
04/04/17-18
作・演出:村木藤志郎
出演:高橋奈緒美/キクチマコト/尾針恵/宮垣雄樹/水科孝之/小口泰司/村木藤志郎/谷口有/小栗由加/小林三十朗/あおきけいこ/佐川真勝/宇賀神明広/島優子


 とある小さな居酒屋に、かつて中学で一緒に野球部だった面々が集まる。はじめはお互いの顔もわからない程だったが、次第に思い出して懐かしい話が盛り上がる。しかし、みんなを呼んだ主将だけがなかなか来ない。やがて一人の女性客が語りだす。

 いつもたっぷり泣き笑いさせてくれるうわの空。今回は前回や前々回に比べると若干パワーダウンしたような気がするが、それでも充分に笑えたし、泣けた。東京からはるばる公演に来るため若干高め(三千円前後)だが、それだけの価値はある。
posted by #10 at 22:16| Comment(1) | TrackBack(0) | 名古屋観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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