2004年04月18日

【雑文】タイムテーブルの誤記

 fringe blogで、「タイムテーブルの誤記」というトピックが掲載されています。公演情報サイトを作る身としては襟を正さないといけない話です(ウェブログ検索で来た人のために注釈:この「名古屋の小演劇ウェブログ」は、公演情報サイトである「名古屋の小演劇スケジュール」の一部で、メインはスケジュールの方です)。

 私のサイトでは日時・タイトル・団体名・会場・料金・Pコード(あれば)を掲載していますが、この中で最も神経を使うのは日時です。他の情報が多少違っていてもリカバリーが効きますが、日時と会場が違うと観劇できなくなる場合があるからです。そして会場名はあまり間違いようがないのに対し、日時は数字の羅列ですからかなり慎重に確認しています。

 しかし話題になったシス・カンパニーのタイムテーブルを見て気が遠くなりました。これをうちのサイトの表記方式に直すのはかなり怖い。「詳細はこちら」とか書いて公式サイトにリンクするのが吉でしょうね。ただし私のサイトは掲載する全公演を統一フォーマットで記述することにしているので、実際にこのような作品に出会ったら悩むところです。

 まあ、小演劇でこれほど上演回数の多いことはまずないと思うので、さほど心配はしていませんが。
posted by #10 at 22:12| Comment(1) | TrackBack(0) | 雑記雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

試験管ベビー「僕じゃない!! 〜試験管ベビー版新撰組外伝」

試験管ベビー
「僕じゃない!! 〜試験管ベビー版新撰組外伝」
千種文化小劇場
04/04/17-18
作・演出:かこまさつぐ
出演:小林タロウ/池山正樹/則竹洋一郎/浅井拡敬/千賀好通/河瀬洋行/樋口友幸/西口貴之/高瀬英竹/かこまさつぐ/五坊良美/加藤奈々/前田恵子/吉森治


 新撰組副長土方歳三が、傷んだ刀の修復を和泉守藤原兼定に依頼する。だがそこには土方を夫の仇と狙う明里がおり、土方の刀を兼定から奪って叩き折ってしまう。焦った兼定はなんとかくっつけて納めるのだが‥‥。

 風林火山2003ではアートピアホールほぼ満席の観客を爆笑させた試験管ベビーが、ステージをホームグラウンドだったスタジオ・座・ウィークエンドから千種文化小劇場に移した。開場前から建物の外に大勢のファンが集まる様子は、試験管ベビーのステージが“芝居小屋”から“劇場”へ確実にステップアップしていることをうかがわせる。

 内容は、面白かった。面白かった作品についてあれこれ語るのは野暮でしかないので語らないが、満足のいく作品だった。

 ただし難点もある。恒例の客席参加がなく、次回予告の映像も見られなかった。オープニング映像が小さくて細かい部分がよく見えないとか、円形舞台を使いこなせていないなど、このサイズのステージにまだ慣れていないためと考えられる問題が残っている。しかしこれらは経験を重ねていくことで改善されるだろう。難点というより改善の余地ということで、今後に期待。

 少なくとも試験管ベビーはもう、客席数100以下のスタジオを会場とすることが許されない存在になりつつあると思う。苦労も多いだろうが、がんばってほしい。
posted by #10 at 21:30| Comment(1) | TrackBack(0) | 名古屋観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年04月07日

NGKプロデュース「彼女の愛した百鬼夜行」

NGKプロデュース
「彼女の愛した百鬼夜行」
愛知県芸術劇場小ホール
04/04/02-04
作・演出:竹内佑
出演:酒井アンナ/河村梓/市川幸代/浦麗/ギャリソン外城田/井上純徳/渡邊有紀/山下有美/山川美咲/相良真/横田亜矢子/杉本たみ子/村里春奈/堀江勇気/須川渡/石井雄介/中西洋介/川村晃一/杉本雪子/小山裕紀恵/古澤健二/木内貴大/加藤恵代/伊達朋香/来々舞子/竹渓潤


 アリスと百鬼の双子は、03地区と06地区に挟まれて戦争状態にある052地区で生まれた。2人は生まれる時に呪いを掛けられ、アリスは幸運を呼ぶが急速に歳をとり、百鬼は不幸を呼ぶが歳をとらない。百鬼は捨てられた先で出会ったフーガという娘の不思議な力で体を手に入れるが、不幸を招く力を武器にできると考えた兵士達に追われる。

 前回のNGKプロデュース公演(仔犬、大怪我)に比べるとかなり良くなったと思うが、それでも不満が残った。つまらなかったということではなく、もっと良いものができたはずだという不満だ。

 本筋の物語はよくできていたと思う。同じ作家による前作では、伏線を張るだけ張って放り出したような感があったのだが、今回はちゃんと収束していた。笑い所では充分に笑えた。また、前作の感想で私は「もしこの人数で一糸乱れぬ群舞でも見せてくれれば圧巻だったろう」と書いたのだが、今回はまさしくそれが実現していた。前作を上回る数の役者が一堂に会して歌い踊る様子はまさに圧巻だった。

 しかしながら、学園祭的な悪ふざけの部分(演劇というより舞台イベント的な演出)が少なからず含まれていたことで魅力が半減した。それが好きだと言う人がいるかもしれないが、それは出演者の身内だけではないか。ゲストトークにしても、そのゲストを知らない観客には付いて行けない。緊張の続く作品なら息抜き的にそういう部分を混ぜても良いが、この作品は基本的にナンセンスギャグなのだから、あえて弛緩させる必要はなかったと思う。

 人が毎年入れ替わる学生演劇においては、年々進歩するというのは難しいかもしれない。しかし去年に比べて今年の方が良くなったからには、きっと来年はもっと良いものを見せてもらえると期待する。
posted by #10 at 02:02| Comment(1) | TrackBack(0) | 名古屋観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする